月別アーカイブ: 2012年10月

割れた魯山人

昨日のブログでご紹介した大古瀬さんのご主人、金澤篤弘さんは
フォトグラファーです。
デザイナー前田義子さんの近著「割れた魯山人」でも、撮影を
担当されています。

この本では前田義子さんが破損させてしまった魯山人の器を金繕いに
よって蘇らせ、新たな魅力をもって再び手元に戻ってきた経験から、
物に対する自身の考え方をフォトエッセーの形でまとめられています。

前田義子さんの審美眼はもちろん、金繕いの蒔絵の線の美しさを象徴的
に表した装丁 も素晴らしいのですが、何より金澤さんの写真がクールで
格好いいのです。魅了されました。
(ボキャブラリーが乏しくてスミマセン)

また器物のバックに、大古瀬さんのアートがあります。
今回は背景に徹しておられますが、金澤さんのクールな視点との
コラボレーションも見所です。

よい物を見ることが、自分の目を育てます。
ぜひご一覧下さい。


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墨流し

アーティストの大古瀬和美さんのアトリエに、大古瀬さん流の
墨流しを習いに行きました。
大古瀬さんは絵画作品の他、豆本や扇子、封筒などの紙作品も
多数あります。
その表現手法の一つが墨流しです。

大古瀬さんの2階吹き抜けで、大きな窓の開放感溢れるアトリエでの
制作風景です。
まずバットの水の中に墨を落とします。

気合いを入れて紙を投入します。
(正座をしているところに真剣度が現れています。)

頃合いをみて、紙を引き上げます。

あとは乾燥、アイロンかけをしたら完成です。
自分で作っているようで、偶然の妙があるのが墨流しの
面白いところですね。
すぐに作れる楽しさも手伝って、たくさん制作させて頂きました。

金繕いの教室でも、イベント的に膠を使った一閑張りの制作を
することがあります。
その際に墨流しのようなアクセントになる紙があると、さらに
オリジナリティーのある作品が出来ると思います。


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仕上げ直前

仕上げ直前の平鉢です。

教室にご参加頂いている方には違和感がないかと思いますが、
このブログでのみご覧頂いている方は「何故、赤い?」と
思われているかと思います。

金繕いは接着にしろ、ヒビを止めるにしろ、欠損部を補う
という作業が生じます。
この欠損部を埋めるという作業には、赤漆を使用します。
それは赤漆の含有成分に効果があるからです。
よって途中経過は赤漆が塗られ、見た目がよいとは言えません。
しかし仕上げ直前には画像のように成形し、蒔絵を施します。

仕上げを金にするか、銀にするか、よくご相談を受けますが、
陶器なら、磁器なら、と基本のきまりごとがあります。
日本の文化を意識して仕上げを決められるのもよいかと
思いますが、最終的には、ご自身のお好みで構いません。


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デルフィニューム

薄い水色が好きで、よく購入する花です。
ふわふわとした花びらが描きやすいので、画題に選んで
しまう、というのもありますが…

デルフィニュームの名前の由来はイルカ(ドルフィン)
だそうですね。
何でも蕾の形がイルカに似ているからだとか。


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習字

金繕いの美しい仕上げの為に、習字を習っています。
画像は、王羲之の蘭亭序を書いたものです。

王羲之とは中国東晋の人で、書聖と呼ばれる書家です。
真筆がないとされる王羲之ですが、それは唐の太宗皇帝が
王羲之の書を収集し、自らの墓に副葬してしまったからだと
言われています。

金繕いの仕上げが急激に上手くなる方法はない、というのが
教える立場としても難しいところです。
やはり練習あるのみ。
習字もその大きな後押しになっています。


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貝合わせ

各教室でご説明しておりますが、はまぐり貝が入手しやすい時期
になりました。
入手して頂いたはまぐり貝を使って、貝合わせを作ります。

金箔のあしらいを学びながら、貝合わせが作れるカリキュラム
です。

はまぐり貝の表面には、その貝の歴史が刻まれています。
環境の変化、どんな所に生息していたのか、カニやヒトデと
戦った様子などなど…
自然のものですから、 完璧にきれいという訳にはいきません。
貝の歴史を愛でて頂ければ、制作する時に楽しいのではないかと
思います。

表面の柄もそれぞれですが、内側にも柄が入っている場合があります。
画像はユーカリが丘教室のKさんの入手された貝です。

紫雲のような柄です。
このような美しい柄が入っている場合は、金箔を貼るのではなく
別の方法をお勧めしています。

貝との出会いを楽しみながら、制作して頂けたら幸いです。


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大江戸骨董市

東京国際フォーラムで行われた大江戸骨董市に行ってきました。

初めて行ったのですが、なかなかの盛況でビックリしました。

NHK学園市川オープンスクールでの特別講座でもお話した
焼き継ぎの器を購入しました。
焼き継ぎとは江戸時代に行われていた修復方法の一つで、
白玉と呼ばれる鉛ガラス粉を割れ口に塗り、低温で加熱することで
接着するものです。

この直しがしてあるということは、江戸時代の器であるという
証明でもあります。

この器はかなりきれいな焼き継ぎがされていますが、「ミミズ腫れ」 と
言われるくらい目立つ直しになってしまっているものが多いのです。


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クイーン•ローズ

バラ咲きのカランコエです。
華やかな花が気に入って購入しました。

ゴージャスに見えるのが好まれて、八重咲きに品種改良された
お花は多いと思います。
クイーン•ローズはカランコエ同様、花持ちがいいのも魅力の
ようです。

八重といえば、桃の節句の時期に花屋さんに並ぶ桃も八重ですね。
実は八重の桃には毒があるとされ、一重の花を用いるものでした。
(桃花酒とは桃の花を浸したお酒ですから、毒があったら使えません)
現代では一重の桃が入手しずらいのですが、蒔絵や貝絵を描く際には
一重の桃を描いた方が、本来の文化の継承になるのではないでしょうか。


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柏教室 開講しました

NHK文化センター柏教室が開講しました。

「ずっとやりたいと思っていた。」というお言葉を頂戴し、
講師冥利に尽きると思っています。

始めて耳にする言葉や、作業ばかりで戸惑われることも
多いと思いますが、漆の固化を待つように気長にお付き合い
頂ければ幸いです。

柏教室は、まだお席に余裕がございます。
随時お申し込みを受け付けておりますので、興味のある方は
受講をご検討下さい。


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花活け

お稽古してきた花材です。
菊と小菊で、壷に活けます。

お見せできる腕ではないので、花材だけご紹介します。
いつか活けたところをUP出来るといいのですが…


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