月別アーカイブ: 2013年4月

スマートフォン用レイアウト

このHPをスマートフォンでご覧になっている方のために、専用
レイアウトを作ってもらいました。
新着情報やブログが見やすくなっていると思います。
従来のレイアウトがお好みの方は、ボタンで変更できるように
なっています。
お試し下さい。

なおパソコンでご覧になっている方は、変更はありません。


カテゴリー: お知らせ |

作業を続けるには

金繕いの作業を続けていると筆が固まってしまうことがあります。
それでも作業を続けたい場合、どうしたらいいかご説明したいと
思います。

固まってしまった筆を薄め液で洗ってしまうと、新うるしの質を
落としてしまうので、使わずに筆を緩める方法があります。

たっぷり出した新しい新うるしの中で、ほぐすのです。
穂先に新うるしを含ませたり、ティッシュでしっかりぬぐったりを
数回繰り返すと固まってしまった穂先がゆるむはずです。

なお固まってしまった筆を作業の最後に洗う場合は、 しばらく
洗い用の薄め液の中に浸けておくと、きれいに落ちます。

ぜひお試し下さい。


カテゴリー: 基本のき |

キーワード検索

ブログのページで「キーワード検索」ができるようになりました。
カテゴリー分類で、だいぶ見やすくなったと好評を頂いたのですが、
投稿数も増えたので、検索でさらに前の投稿が捜しやすくなった
のではないかと思います。

ぜひご活用下さいませ。

※ページの右側、カテゴリー分類の下に表示されています。


カテゴリー: お知らせ |

使ってはいけない

金繕いの教室で、紙ヤスリについて質問が続きましたので、
ブログでもご説明したいと思います。

物を削るというと紙ヤスリが一般的ですが、私共では紙ヤスリの
使用はおすすめしておりません。
なぜなら紙ヤスリについている研磨材が、陶磁器よりも硬く、
100%疵つくからです。

オレンジ色の研磨材がついた紙ヤスリの画像です。
硬度は9と、ダイアモンドに次ぐ硬さです。

耐水ペーパーの画像です。
硬度は9*で、オレンジ色の紙ヤスリを上回る硬さです。

これらを使用した場合、上絵付けが無くなってしまったり、
釉薬が疵だらけになってしまいます。
これは紙ヤスリの細かい番手を使ったとしても変わりません。
疵の深さが変わるだけです。
そしてこの疵を戻す方法は、一般的にはないと言われています。

教室では紙ヤスリを使わずに形を成形する方法をお教えしています。
壊れた器を直す金繕いです。
無用な疵は増やさずに完成させるのがよいと考えています。


カテゴリー: 基本のき |

鳳凰が棲む

桐をスケッチする機会に恵まれましたので、桐について
お送り致します。

桐は鳳凰が住処とし、竹の実を食べて生存するという中国の古伝説に
基づいて、吉祥の象徴になっています。

ご存知の方が多いと思いますが、桐の木は成長が早く、かつては女の子
が生まれたら桐の木を植えて、嫁入りの際には成長した木で箪笥を作る
という風習があったほどです。

桐の木の大木です。
荘厳さがあり、鳳凰が棲むというのもわかるような気がします。

桐の花のつぼみです。
つぼみには産毛があり、ベルベットのような感じです。
陽の数“5”で構成されたつぼみと花を見ますと、格の高さがわかります。

次の機会には皇室及び時の執政者の紋章となった桐文について
書けたらと考えています。


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柏教室 仕上げ第1号

NHK文化センター柏教室は昨年10月に開講したばかりの教室
です。
半年経過しまして、完成第1号が出ました。
Nさんの作品をご紹介致します。

どちらもひび割れを修復して頂いた器です。
Nさんは、教室でメモしたものを、ご自宅に帰られてから清書される
という大変真面目な方で、それが仕上げにおいても現れています。

特に上の白いお皿は一度仕上げられたのですが、再チャレンジして
来られました。
格段に上達されており、素晴らしい仕上げになりました。
何度もやり直しされた努力に拍手です。

私も初心者の頃は頑張ってました。
Nさんの作品は、その頃の新鮮な気持ちを思い出させて下さいました。

連絡 Nさん、線の仕上げの修正方法をお話ししそびれました。
次回ご説明致しますので、また器をお持ち下さい。
よろしくお願い致します。


カテゴリー: 生徒さんの作品 |

画題 アマリリス

少々季節はずれですが、アマリリスが手に入ったので、画題に
選んでみました。

逆光補正というモードで撮影したら、不思議な雰囲気に。

アマリリスは、ユリに似た6弁の大きい花がダイナミックで描き甲斐が
あるのですが、同時に4個咲いているのを描くのが難しくて、
1つづつ描いてしまいました。
ラッパ形の花は1点に集約していないとおかしくなるので、本当に
難しいです。

ところでアマリリスって、ヒガンバナ科だったんですね。
それも本当はヒッペアストルム属というので、びっくりしました。
かつてアマリリス科に分類されていたので、今でも市販される場合は
「アマリリス」になっているとか。

もしかして「ナツスイセン」もヒガンバナ科では?と思い、調べて
みましたら、やはりそうでした。


カテゴリー: 植物•スケッチ |

ユーカリが丘午後クラス スタートしました

NHK文化センターユーカリが丘教室の午後クラスが新規に
スタートしました。
先日の1日講座にご参加下さった方々もたくさんお申し込み
下さいまして、ありがとうございます。

1日講座同様、皆様熱心にメモを取られており、講師としても
やりがいがあります。
またお帰りの際に、2時間あっという間だったというお話も
とても嬉しかったです。

何事ものんびり進む教室です。
どうぞ気長にお付き合い下さいませ。

ユーカリが丘駅そばにあるコアラの像です。
「ユーカリが丘」 の由来を確認したことがないのですが、
コアラの像があるということは、やはりユーカリの木
に関係があるのでしょうか?


カテゴリー: 日常の風景 |

国会図書館 閲覧記

先日「根付の雫」閲覧のために訪れた国会図書館がなかなか
面白かったので、レポートしたいと思います。

国会図書館は、国会議事堂と最高裁判所の間にあります。
こちらは本館。

まず利用者登録をしなければなりませんので、 新館へ。
今回拝見した「根付の雫」は雑誌になるので、閲覧もこの新館です。

残念ながら内部は撮影が出来なかったのですが、吹き抜けがあり、
開放的でスペースもゆったりとしていました。

それは書棚がないからなんですね。
新聞以外、全ての本は書庫にあり、利用カードとPC端末を使って
検索から閲覧申込を行います。

ですからフロアには、PC端末と、受付カウンター、閲覧スペースしか
ない訳です。

閲覧申込をして書庫から本が出て来るまで、20分。
コピー依頼をして終了するまで10分と、何事も待ちます。
これは貴重な書籍を大切に扱う為必要なことですから、 閲覧には
時間の余裕を持って出かけるべきでしょう。

しかし要所要所に係の人が配置され、ちょっとオロオロ見回した
だけで、飛んで来て下さいます。
お陰さまで、スムーズに閲覧•コピーが出来ました。

最後に行ったのが、食堂です。
「国会丼」なるものが目当てだったのですが、季節商品なのでしょうか。
残念ながらありませんでした。
食べたのは「ワンプレート」ランチです。



600円也。
カツ定食と言ってしまえば、それまでですが、社会民主党の看板を
見ながらランチが出来るのは国会図書館ならではでしょう。

今回利用者カードも作りましたし、閲覧の要領もわかったので、何か
あればまた訪れてみようと思います。


カテゴリー: 日常の風景 |

鶴天•鶴頭 論文入手

国会図書館に鶴天•鶴頭に関する論文が掲載された「根付の雫」
という根付研究会の会報が収蔵されているという情報を頂いて
おりましたが、ようやく閲覧に出かけて参りました。

馬の歯だったと結論づけた60号だけでなく、経緯を記された46号、
48号も拝見し、研究者の真摯な姿勢に大変感銘を受けました。

研究の始めには、なかなか協力を得られず、ご苦労があったようですが、
研究を主導された木村郁子先生が、たまたま愛読されていた雑誌に
動物の歯は染色すると縞模様になるという大きなヒントになる記事が
掲載されていたというお話は、まさに天啓。
求める者には与えられる、ということなんですね。

その後光学顕微鏡とマイクロFT-IR分光分析の非破壊分析で、草食動物の
歯と特定。
ついには貴重な鶴天を歯科用ドリルで破砕し、DNA抽出という英断の
結果、馬という結論を得られます。

論文では残念ながら馬が日本在来種かどうかまでは特定出来なかったという
ところで終わっています。

私としては朱肉様のものとされた染色材が何なのか、馬の歯を接着した物が
何なのか、更なる研究を待ちたいところです。

しかし鶴天というネーミングもさることながら、馬の歯を接着し丸く研磨、
縞模様に染色するという技法に行き当たった江戸時代の職人の成り行きも
気になります。

まだまだ興味の尽きない鶴天•鶴頭、また何か情報を入手しましたら、
ブログでご報告致します。

追記1 歯は染色された象牙質と染色されないエナメル質から構成されて
いるため、きれいな縞模様になるそうです。

追記2 緒締玉として使われた場合は『鶴天』、穴に彫金された銀の棒を
通した髪飾りを『鶴頭』と称するようです。


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