筆の穂先がやせる、というのも多くご相談を受ける内容です。
原因は洗い方にあります。
薄め液の中にしろ、洗剤で洗う時にしろ、金具の部分で穂先を折って
しまうと、毛が切れ、やせていきます。
やせると当然筆として使いにくくなります。
ではどう洗えばいいのか。
以前にも筆の洗い方をアップしていますが、再録致します。
薄め液の中で泳がせるように洗ったあと、穂先に洗剤を含ませて、
爪でほぐすように洗います。
この時に毛を引っ張ってしまうと、やはり穂先がやせますので、
引っ張らないようにするのが大切です。
洗剤の泡に新うるしの色が出なくなったら洗い終わりです。
しかしそもそも作業の最後に筆を洗おうとすると、すでに硬化して
しまっている可能性が高いです。
その状態では少々洗ったくらいでは、硬化してしまった新うるしは
落ちません。
穂先が硬くなっていたら、15分から30分薄め液に浸してから洗剤で
洗ってみて下さい。
硬くなっているのをそのままにすると、筆の芯から硬い部分が広がり、
筆として全く用を成さなくなります。
筆は基本の道具です。
メンテナンスの方法は、是非習慣づけて下さい。