日別アーカイブ: 2014年8月24日

台北 国立故宮博物院展の書

今日は台北 故宮博物院展に展示されていた書について、書きたいと
思います。

書の展示でメインなのが、蘇軾(そしょく)の「行書黄州寒食詩巻」です。

蘇軾

これは蘇軾が地方に左遷された際に、その辛い状況を訴えたものです。
字の大きさも大小まちまち、形も乱れ、縦に引いた線が物悲しく揺れます。
内容がわからなくても、蘇軾の心情が読み取れる気がします。

量的に展示が多いのが、米芾(べいふつ)です。

米ふつ

その流れるような書は魅力がありますが、安易な臨書は許さない
難しさがあります。

個性といえば、徽宗(きそう)オリジナルの「痩金体」の書です。

き宗書

一目見てわかる、そして忘れられない字体です。
縦に長く華奢な感じは、繊細であったのではないかと性格の推察さえ
出来そうです。
しかし一筆一筆に迷いがなく、“自信”が感じられる王の字です。

私が気に入っているのは、高宗の「行書千字文冊」です。

高宗

現在私が臨書している王羲之の書を手本としているだけあって、美しく
品格のある文字です。

原一菜(いちな)先生から、書とは上手下手ではなく、心で書くもの
というお話を伺いました。
まさに蘇軾の心情を訴える文字がそれです。
まだまだ臨書するだけの私ですが、自分の字とは一体どんなもの
なのか考えていきたいと思いました。


カテゴリー: |