最近修復のご依頼があった器です。
画像でおわかりのように、欠け部に金色のものが塗布されている
だけです。
経緯は確認していないのですが、この状態が不本意なので、ご依頼が
あったと考えています。
金繕いとは、やはり元々の形を復元してから、為されるべきものだと
思います。
この状態では釉薬がなくなってしまった部分をカバーしているだけで、
何とか短期間の使用に耐える程度です。
もちろん美しさを問う状態ではありません。
金繕いという技術が日本唯一である所以は、破損した器が使用可能になる
だけでなく、美しさも伴っていることだと思います。
教室にお出でになっている方々には、是非元の形をきっちり戻すという
作業にこだわって頂きたいと考えています。
ところで修復のご依頼ですが、私が直接存じ上げている方か、間にご紹介の
方がある場合のみお受けしております。
おかげさまで多数のお引き合いを受けておりますので、教室でのご依頼は
遠慮させて頂いております。