月別アーカイブ: 2016年11月

幸和ピンセット工業に行く

都内で精密なピンセットを製作しているメーカーがあるというお話を
聞き、実物を拝見しに出かけてきました。
幸和ピンセット工業株式会社」さんです。

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サンプルとして見せて頂いたのが、こんなにたくさんあります。
中にはリード線をロックしたまま保持できるものや、逆ピンセットと言って
押すと開くなど珍しい形のものもあります。

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金繕いの作業に使えそうなものをピックアップしたのが、こちら。
細さ、厚み、長さ、端の形状など、微妙な違いでバリエーションがあります。

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最も繊細なタイプの先端です。
海外の品でも同様のものはありますが、価格的には3倍以上します。

海外品との違いもお聞きしてみました。
同じステンレスでも素性に違いがあるものを使用していたり、製造工程にも
違いがあるようです。
その結果、錆が出たり、合わせがズレていたりと問題がある製品もあるとか。

つまみ細工やつまみ絵などの工芸の他、まつ毛を扱う美容関係などの
方々が、実物を見たいといらっしゃるそうです。
道具は自分の技術を助けてくれます。
いい道具が欲しいと思うのは、どの世界にも共通かもしれません。
特に幸和さんのように誠実にものつくりをしているところなら、なおさら
です。

最終的にこれはと思うものを購入してきました。
もしワンランク上のピンセットをご要望の方がいらっしゃいましたら、
ご相談下さい。


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欠けは難しい?

NHK文化センター千葉教室のTさんの作品をご紹介致します。

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ご自身でも納得の仕上がりになった器です。
複雑な欠損なのですが、繊細な線が描けています。

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画像ではわかりにくいのですが、ほんの少し塗り残しが出ている
複数の欠けの修復です。
基本的に欠けの仕上げをする際には、少し大きめに輪郭線を描くことと、
中を塗り残しがないように確実に塗り潰すことが大切です。

今回の作品の場合、それぞれの欠けが小さいので、塗ること自体が難しい
ところがあります。
とはいえ仕上げ初心者としては、十分な仕上がりです。
でもTさんとしては欠損を埋めるのに時間をかけたのだから、仕上げも
それなりのレベルになっていないととお考えのようです。

これはとても重要なことで、このように考えられる方は上達されます。
「欠けたところが金色になっていればいい」とおっしゃる方もおられますが、
せっかくやるのであれば、やはりある程度の完成度は目指して頂きたいと
思っています。


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長い線の仕上げ

NHK文化センター千葉教室のHさんの作品をご紹介致します。

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長さもあり、欠け部分もあるひびの仕上げです。
このような複雑な仕上げをする場合には、手順に悩まれると思います。

一般的には内側から仕上げるのをお勧めしています。
外側から仕上げると、触れてしまって痛めてしまう恐れがあるからです。

Mさんの作品のように長さがあると、一気に仕上げるのは難しいかも
しれません。
その場合には何回かに分けて仕上げるのが、確実です。
何回かに分けると重なりをどうするかが、問題になります。
これを解消する方法は、教室でご確認下さい。

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Mさんは、私の生徒さんの中で最も長く受講頂いている方です。
上の画像のような欠けの仕上げは、難なくこなされています。
仕上げは経験が一番です。
修正の方法はたくさんあります。
どんどん挑戦してみて下さい。


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削りカスを払う

金繕いの作業中にいろいろ削りカスが出ることがあります。
それを何で払うかというご質問を頂きました。
ティッシュペーパーで払ってしまうこともあるのですが、
ティッシュは様々なものを含んでいますので、なるべく避けたい
と考えています。

自宅で使用しているのは、ペンキを塗る刷毛です。

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100円ショップで入手した安価なものですが、刷毛は豚毛です。
腰がしっかりしているので、払った感じは悪くありません。

以前もっと使いやすい道具を生徒さんから教えて頂いているのですが、
未だ入手に至らず、画像のもので代用しています。

これでなければというものはありませんので、入手しやすく、使いやすい
道具をお使い下さい。


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沈壽官窯の器を金繕い

港北カルチャーセンターのMさんの作品をご紹介致します。
沈壽官窯のお皿の割れを金繕いされました。

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白薩摩とも呼ばれるもので、微細な貫入が美しいです。
Mさんがご友人から預かったものですが、すでに接着剤でつけられて
いました。
その接着剤剥がしを時間をかけて行い、接着し直しされました。

白薩摩は貫入が見所なので、これを損なわないように金繕いするのが
難しいのです。
まずは念入りに下準備を行う必要があります。
これを怠ると貫入が消えてしまったり、貫入の中に色が入ってしまいます。

さらに割れは貫入独特の複雑な接合線となります。
仕上げの際には、これをどのように捉えるかが課題になります。

Mさんの作品は、これらの課題をクリアして、綺麗に完成されました。
持ち主の方もきっと喜ばれると思います。

もし大切な器を破損させてしまったら、そして何とか修復したいとお考え
でしたら、決して接着剤を使って接着してしまわないことをお勧め致します。
可能と言っても接着剤剥がしは手間がかかります。
スムーズな金繕いのために、是非お願いいたします。


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格闘の証

先日、校正中の様子をアップしました。
校正とは「文字校正」と「色校正」と2種類ありまして、何回か
繰り返して完璧を期します。

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これが積み重なって、相当な量になりました。
格闘の証です。
すでに不要となっているのですが、思い入れがあって、まだ保管
しています。

成果は、すでに各教室でご紹介し始めました。
お申し込みを受けておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


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陶と暮らし。KASAMA 2016

以前にも行った笠間焼に、また出かけました。
今回は「陶と暮らし。」というイベントが目的です。

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会場は笠間工芸の丘というところでした。

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会場横にあった登り窯です。
いいお天気でした。

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購入してきたものです。
これはお知らせしている「TOMOS B」のワークショップ他で
使用する予定です。

笠間焼では陶と暮らし。の他、ギャラリーロードにも足をのばし
ました。

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ギャラリーロードは、こんな感じのおしゃれなお店が点在
しています。
時間の余裕があるようでしたら、こちらもオススメです。

「陶と暮らし。」のイベントは、6日(日)まで。
益子焼でもイベントが行われているようですので、合わせて
ご覧になるのもいいかもしれません。


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自然乾燥はどのくらい?

仕上げをする前に、中性洗剤とメラミンスポンジでの洗浄を
お願いしています。
その後余計な付着物を避けるために自然乾燥をしていただくよう
お話していますが、どのくらいの時間行えばいいか質問が続き
ました。

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「何日置けばいいですか?」という質問だったのですが、それ程の
時間は必要ありません。
基本的には日常の食器洗いで乾く時間と同じで結構です。

これをさらに短縮する方法がありますが、少々実演が必要ですので、
教室でご確認下さい。


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