日別アーカイブ: 2017年7月27日

4箇所

NHK文化センター千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。

飯茶碗の縁の欠けの金繕いです。
白化粧土に金泥が映えて、綺麗に仕上がりました。

これを上から見ると、

四角形が描けそうな位置に欠けがあったのです。
ご本人によりますと気がついたらこのようになっていたそうで、
どの順に欠けたかも明確ではないそうです。

使い手は器を上から見ますので、このような面白さを毎回感じながら
お使いになれると思います。
これを破損の妙というのでしょうか。
偶然が作るものは、人間は叶わないと思うことがあります。

ところで4か所は同時に仕上げられてはいません。
欠損を埋められたものから順に仕上げをして頂きました。
これは一度に仕上げを行うと4か所全てが同じ力量になりますが、
時間差があると徐々に上達をするからです。

仕上げは場数を踏むことが大切です。
金泥の包みを開き蒔く準備をする手順も、蒔き下を描く力も、
何度も行えば慣れて緊張がほぐれるかと思います。

もし失敗があったとしても挽回のテクニックはたくさんあります。
どうぞ積極的に仕上げにチャレンジしてみて下さい。


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