銀を硫化させる

藤那海工房 西登戸教室のKさんの作品をご紹介致します。
銀泥を強制的に硫化させて釉薬に馴染ませておられます。

義理のお父様の手作り品だそうで、とても味がありますが、注ぎ口の
先端が欠けてしまっていました。
これを埋めて銀泥で仕上げられました。

黒の釉薬に馴染ませるために、銀泥をある薬品で強制的に黒まで硫化させて
います。
もちろん自然に変化しても、いつかは黒になるのですが、黒が目標であれば
一気に硫化させるのも考え方の一つです。

こちらの小皿は欠けと割れがありますが、それぞれの銀泥の仕上げを少しだけ
硫化させています。
グレー系の釉薬に上手く馴染んでいると思います。

こちらの蓋物はアフリカンな柄が入っています。
本体の縁が2箇所大きく欠けているのですが、黒色まで硫化した色が
柄として入っている色に酷似しているので違和感がありません。

こちらは貫入の入った釉薬に沿って不思議な割れ、欠けの入った
お抹茶茶碗です。
Kさんは手描きと思われる柄と相性が良いとお考えで、このまま
自然に硫化を待つそうです。

銀泥は変化の色を生かして金繕い出来るのが魅力で、はまってしまう
方が多いのです。
黒くなってしまうとマイナスに捉えずにKさんのように、器に合わせて
使うことを楽しまれて下さい。


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