日別アーカイブ: 2018年12月23日

目止め 都市伝説?

先般「目止め」という下準備が、他の作業と混同されやすいという
ブログを書きました。
それと同時に「なぜ行うのか」「どういう場合なら行わなければなら
ないのか」という条件も理解が難しいようです。

「目止め」とは陶器の断面に米の研ぎ汁を使って撥水性をつける方法です。
撥水性をつけないまま金繕いの作業に取り掛かると、接着は着きませんし、
ひび止めではシミが出来てしまいます。

しっかり洗って完璧に乾燥してあれば「目止め」の必要はない
使用していない新品の器の破損であれば「目止め」の必要はない
磁器も「目止め」を行う必要がある

上記の3つは「目止め」に関する誤った認識でよくあるものです。
いずれも何故「目止め」という作業が必要なのか理解されていないが故の
間違いです。

確かに「目止め」の作業は手間がかかるので、回避されたい気持ちはわかります。
しかし行っていなければ2度と取り返しのつかない事態にもなります。
逆に言えば行ってあれば不本意な事態から器を守ってくれる魔法の方法でも
あるのです。

是非、何のために行うのか、ご理解頂いた上で作業に取り掛かって下さい。
拙著「金繕いの本」のP.24に、詳しい手順を掲載しております。


カテゴリー: 基本のき |