カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品
他の素材に変える
JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室に来られていた方の作品を
ご紹介致します。
シャンパングラスの脚部の割れ、紛失です。
脚部分が割れてしまった後、紛失してしまっていました。
しかしカップ部分のカットが美しく、処分してしまうのには
ためらいがあったそうです。
ご相談があった時にまずお願いしたのが、ご自分が気に入る
代用品を探してもらうことです。
その結果探してこられたのはホームセンターで販売している
木材でした。
台形と円盤型の2つのパーツを合わせて脚部の代用になりました。
もちろん残ったガラス部分と脚部のパーツはただ接着してある
だけではありません。
しっかり繋がるように補強を入れています。
また白木だった木材部分は新うるしで塗って頂き、耐水性も
あります。
脚部が失われてしまったままでは使うことはできませんが、ここ
まで作業して頂くと十分お使いになれます。
新たに蘇った様子をご覧頂くと、お手元に諦めずにチャレンジして
みようと思う器があるのではないでしょうか。
同じでなくて良い
当、藤那海工房の金繕い教室のWさんの作品です。
湯呑みのひびの金繕いです。
画像でご覧頂けるように、ひび自体は内側の銀泥の仕上げ通りに
入っています。
ひび止めをしたところ、外側があまり目立たなかったので、必要
最小限に仕上げを留めています。
加えて外側は絵付けの色と同じ弁柄色の仕上げとして頂いたので、
より目立たなくなっているかと思います。
器は大抵は内側と外側を同時に見ることはありません。
ですので同じ仕上げとする必要はないのです。
そのように気がついて頂くと仕上げの選択肢が広がると思います。
固定概念にとらわれることなく、自由に発想してみてはいかがでしょう。
第1回草木染め講習会2025
今年も草木染めの講習会を行いました。
第1回目の今回はお使いになっていた物を染め直しする方が
多くあり、生まれ変わって新しい姿になるのを楽しんで頂き
ました。
今回ご参加の方は皆様初めてだったこともあり、色の変化を
楽しんで頂けたようです。
一応、こういう色に染まりますとサンプルはお示ししているのですが、
生地によって思わぬ変化を遂げます。
特に刺繍の入ったものは刺繍の立体感が際立ち、売っているものでは
得られない色と喜んで頂けました。
次は8月の末に行います。
この酷暑にめげず藍が再成長してくれるのを祈るような気持ちで水やり
しています。
金箔貼り
JEUGIAカルチャーセンターイオンモール八千代緑が丘教室に
来られていた方の作品です。
ご友人が作った木の葉から型取ったお皿の割れでした。
実は先端の尖った部分だけが割れていたのですが、そこだけ仕上げても
見た目があまり良くありません。
そこで破損したところより遥かに大きい面積に金箔を貼って頂きました。
緑系の釉薬と金箔の相性がよく、全体の印象が締まったように思います。
金箔を貼った範囲はきちんと計算して計画しています。
金箔の範囲が素敵に見えるのは何となくフィーリングで行ったものでは
ないからです。
このような攻めの姿勢の仕上げも楽しいかと思います。
チャレンジしてみたい方は教室でご相談下さい。
急須の金繕い
NHK文化センター千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。
急須の取手の割れと注ぎ口の欠けです。
使用頻度の高い急須は金繕いのご希望が多い器でもあります。
中でも突出部である取手と注ぎ口の破損が望まれます。
Nさんの急須も取手は根元から割れており、注ぎ口も先端が欠け
ていました。
特に取手は急須自体を持ち上げるという荷重がかかる部分ですので、
ただ接着するのではなく、中に芯を入れて金繕いします。
表面の釉薬に類似した薫銀泥で仕上げられているので、画像では
どこが破損したのかわからないと思いますが、安全を重視した
金繕いになっています。
急須のように熱い飲み物を入れる器に関しては、どう安全を確保
するのか、確認の上、金繕いされるのをお勧め致します。
土鍋の取手
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介致します。
土鍋の取手破損の復元です。
三枚目の画像をご覧頂くとお分かりになるように、中空になっている取手
が割れて破片は紛失してしまっていました。
蓋をすることは可能でも掴むことができないのでは使えるとは言えません。
Sさんは失ってしまった部分を様々な素材で充填し、元の形に復元され
ました。
紐を捻ったような形を残った部分から想像して作るのは大変だったかと思い
ますが、ご覧頂けるように自然な形に作られていると思います。
仕上げはガンメタリックカラーの薫銀泥を使っておられます。
こちらも本体と違和感がない要因だと思います。
このような「もう駄目では」と思われるようなものでも金繕いは可能です。
諦めずにご相談下さい。
もみじ
NHK文化センターさいたまアリーナ教室の方の作品を
ご紹介致します。
欠けの金繕いです。
欠けがちょうど弁柄色で描かれたところにありました。
通常は金や銀で蒔絵するところですが、欠損を埋めた弁柄漆が
馴染みましたのでそのままにし、葉脈を金泥で描いて頂きました。
弁柄漆は釉薬の色が馴染むケースが多い色です。
その場合は今回のケースのように上手に隠すのも一つの手段だと
思います。
是非参考になさって下さい。
蒔絵で華やかに
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介します。
大鉢の欠けとひびです。
欠けの形があまり美しい形ではなかったこともあり、Mさんは欠損を
元々器にある桜の柄を使って蒔絵されることにしました。
内側は桜の花で、外側は葉と蕾で上手く欠損を隠しながら蒔絵の図柄
を決められています。
桜の花は銀泥ですので、いずれ硫化して器の柄と馴染みます。
外側の金泥で蒔絵された葉は意外に白地に目立ちません。
今回は器元々の柄が欠損を隠すのには最適な図柄でした。
このようなケースは是非蒔絵にチャレンジして頂きたいと思います。
こっそりやってます
シー陶器、シーグラスで作るアクセサリー・箸置き作りですが、
昨年、今年とこっそりやっています。
材料に限りがあるので、それでご納得頂けるのであればと条件付き
なのですが、毎回ご参加される方があり、素敵な作品が誕生して
います。
ただ今後の日程は決まっておりません。
欠けの仕上げ いろいろ
NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介
致します。
欠けの仕上げをされた器たちです。
日常生活で最も生じるのが欠けではないかと思います。
取れたボタンを付け直すように器の金繕いが出来るようになる、という
のが教室の狙いでもあります。
Sさんの作品は度々このブログでもご紹介させて頂いていますが、一つ
一つの仕上げに真摯に取り組まれるので、美しい完成度が当然のように
なってきました。
ご本人の影での格闘はあるかと思いますが、それを感じさせない完成度
をご覧下さい。

























