カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品

着彩する2

昨日に引き続き、仕上げに着彩した作品をご紹介致します。
NHK文化センター柏教室のTさんの作品です。


花の柄が入ったお茶碗です。
ちょうど花の部分にひびが入っており、痛々しい感じになっていました。
そこを色漆で着彩して緩和しています。

表の柄も細線を描いたり、淡く着彩しています。

昨日の作品同様、下に金泥があることで品良く色が見えます。
ちょっとしたコツがありますので、なさりたい方は教室でご質問
下さい。


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着彩する1

セブンカルチャークラブ成田教室のGさんの作品をご紹介
致します。
スナフキンのマグカップです。

かなり深刻なひび割れで、特に内側の欠損が変な形をしていました。
そのため埋めるのにも仕上げるにも苦労されましたが、一番気に
なったのが表のスナフキンの顔の部分です。

あまりにも目立つようにひびの線が入っているため、顔周りの仕上げを
調合した色漆で着彩して頂きました。

画像だとわかりにくくなってしまったのですが、地色の淡いグリーンを
金泥の仕上げの上に重ねています。
着彩した色の下に金が透けて見えるので、色漆のみより高級感が出る
ように思います。

わずかな作業ではありますが、Gさんの作品のようにキャラクターの
顔だと少しでも目立たない方がいいと思います。
このところ効果が出そうな方にはお勧めしておりますので、引き続き
作品をご紹介したいと思います。


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何度もやり直す

NHK学園市川オープンスクールのKさんの作品をご紹介致します。
マグカップの縁の欠けです。


ご家庭で最も生じるであろう、ちょっとした欠けです。
こちらを本当に美しく仕上げられました。

画像をクリックし拡大して、ご覧頂くとその美しさがお分かり頂けると
思います。
全く刷毛目が入っていない均一な仕上げです。

この仕上がりは欠損の埋め方が完璧であることが必須条件ではありますが、
Kさんが納得いくまで何度も仕上げをやり直した結果なのです。

Kさんは大変熱心に受講して下さっており、普通はお話しないような深い
質問をなさいます。
それを聞くだけでなく何度もやり直した結果、ここまでの域に達せ
られたのです。

金繕いの時間は破損を埋めることに大半の時間が費やされるため、仕上げ
はそう頻繁に行うものではありません。
しかし結果として見えるのは仕上げなので、どなたも美しく完成させたいと
思われるでしょう。
そのためには努力が必要と改めて思わせてくれたKさんの作品でした。


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マグカップ 把手の竹補強

NHK文化センター 柏教室のUさんの作品をご紹介致します。
マグカップの把手が割れてしまったのを接着し、再使用が可能
なように竹で補強されました。


作家さんもののマグカップの把手が5か所で割れ、4つのパーツに
分解していました。
接着後、把手の内側を竹で補強してあります。
これによって、やや大ぶりなマグカップも再使用が可能になっています。

難しかったのが把手の形状が不定形で、竹の加工が複雑になったことです。
Uさんはそれをクリアし、把手自体に馴染ませるのも異例の早さでした。
このあたりは手作業がお好きなUさんの天性のものと思われます。

竹を使用した把手の補強は、竹の曲げ加工や把手自体に馴染ませる手間
はかかりますが、今回の作品のようにカップ部が重いものですと安心感が
大きいと思います。
このマグカップは金繕いを頼まれたもので、持ち主に返却されます。
そのような場合、より安全な方法で修復されるのがよろしいかと思います。

把手内側にしか補強が入っていないので、作家さんの意匠を崩すことなく
仕上げられています。
高い完成度に持ち主の方も驚かれること間違いなしです。


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ティーポットのひび割れ

NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
ティーポットのひび割れです。

蓋がありませんが、シャープな形のティーポットです。
貫入が入っているので、それに沿ってひび割れが入ってしまいました。
しかしそれが人為的には出来ないアートになっています。

実は最初、仕上げの線をふっくら膨らんだ形にされていました。
しかし実際仕上げてみると、かえって鬱陶しい感じになってしまった
そうで、フラットな仕上げに修正されました。
ポットがシャープな形なので、膨らんだ仕上げが合わなかったのだと思います。

基本的に私共では膨らんだ仕上げはお勧めしていないと、このブログでも
何回か書いています。
好みの問題ではありますが、実使用上でも引っかかりになってしまうことは
否めません。
Yさんがフラットに変更されたのは、正解だったと思います。

仕上げを始めた頃のYさんは緊張が強かったのですが、この頃はだいぶ
慣れられて線の太さを変える余裕すら出てきています。
もちろん金を蒔くタイミングなど、完成度も問題ありません。
この調子でどんどんチャレンジして頂ければ、私としても嬉しいです。


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自分のスタイルで

NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介致します。
一気にたくさん仕上げをしてきて下さいました。


今回お持ちの器は、ほとんどが妹さんの器なのだそうです。
Sさんご自身が器好きなだけあって、お持ちになる器はどれも
素敵なものばかりです。
ただその分、難しい形をしているのも事実です。

そのため欠損を埋めるのに悩まれていましたが、このところ仕上げに
チャレンジされています。
熱心に何度も納得するまでやり直しをされているので十分合格の
域に達しているのですが、これ以上の完成度を求められるのであれば
手順や筆の太さなどの工夫が必要になってきます。

仕上げの手順に関しては基本的に流れがわかっていれば問題あり
ません。
ご自分のスタイルでなさって構わないのです。
細かくここから塗り始めて…というようなことを気にされる方が
多いのですが、ご自分のやりやすい形を見つけてみて下さい。
私がお話し出来るのは、私なりの方法でしかないのです。


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金銀使い分け

NHK学園市川オープンスクールのIさんの作品をご紹介致します。
1つの器で金銀を上手く使い分けておられます。


面白い形に割れたお皿です。
表面はブルーの柄に金泥の仕上げが際立っています。
接着の際、若干ズレてしまった分、仕上げの線が太くなっていますが、
それが割れの線の面白さを強めているようです。

一転、裏面は銀泥です。
こちらは硫化するとブルーの線と馴染む色になると思います。

こちらは湯のみでしょうか?
縁の欠けは銀で、将来的には硫化して釉薬に馴染むでしょう。

一方、割れの線は金泥です。
元々の釉薬掻き落としの柄と合っています。

Iさんは独特の感性の持ち主で、いつもその着想には刺激を頂いています。
今回はその感性の一端しかご紹介出来ませんが、今後も都度ご紹介
させて頂こうと考えています。


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自作の窯キズ直し

NHK学園市川オープンスクールのYさんの作品をご紹介致します。
ご自分で作られた板皿の窯キズを金繕いされました。

瑠璃釉に金泥が映えています。
またキズが入った位置も絶妙です。

通常の窯キズと違っていたのは、途中で途切れているところです。
瑠璃釉の上から乗せた白い水玉状の釉薬が接着剤になったのか、ここは
亀裂が完全には入っていないのです。
それもまた面白さになったのではないでしょうか?

もう1点は、かなり複雑に割れた小皿です。
その為、欠損を埋めるのに時間がかかりましたが、仕上げてみると
複雑な線がアートのようです。
これも金繕いの不思議なところです。

度々このブログでも書いていますが、窯キズは独特の手順で直して
いきます。
作業される前に是非ご確認下さい。
この技術を身につけて頂くとYさんのように陶芸をなさる方はせっかくの
自作を諦めずに済むと思います。


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印はわかりやすく

以前のブログでも書いていますが、接着で段差が出来てしまった
場合、それを解消するように弁柄漆を塗っていきます。
作業を始める前に大切なのが、どこを塗るべきなのか、しっかり
印をつけることです。

上の画像は藤那海工房 金繕い教室のKさんの作業状態です。
とてもわかりやすく印を付けられているので、これに従って
安心して作業が出来ると思います。

「段取り8分」という言葉がありますが、下準備をしておけば
後の作業が楽になるのです。

接着がずれてしまったのは、マイナスかもしれません。
でもプラスに変えるチャンスを上手に活かして頂ければと考えています。


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大きい欠けの仕上げ

NHK文化センター 千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。
大きい欠けの仕上げをなさいました。

最大の幅が3cm弱ある欠けです。
ご本人は蒔下の弁柄漆が厚くなってしまったとおっしゃっていますが、
釉薬がぽってりした陶器の感じと合っているので、違和感はありません。
こちらはこの後、銀泥で縞を入れる予定です。

この小皿は欠けが大きいだけでなく、縁が緩く波があり、形を作る
こと自体が難しい欠けでした。
まずきちんと形を作られてから仕上げに挑まれたので、大変完成度が
高い作品になっています。

よく金繕いした方が良くなると言われますが、この小皿もその例で、
元々の草花柄と呼応するように見えます。

大きい欠けの仕上げをする方法はいくつかありますが、今回Nさんは
太めの筆を使うことを選択されました。
筆に弁柄漆を含ませる量が難しいのですが、これは使っているうちに
慣れるしかありません。
今回これだけの完成度なので、じきに慣れられると思います。

以前のブログにも書きましたが、道具は腕を助けます。
なさりたい内容によって適切な道具を選択下さい。


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