カテゴリー別アーカイブ: 基本のき

トクサ バリバリに割れるのは

自分で育てるのが難しい方に向けて、トクサの購入先として
(有)並川平衛兵商店をご紹介しました。

こちらで購入された方から「使おうとするとバリバリに粉砕してしまう。
問題のある品物ではないのか?」というお問い合わせが相次ぎました。

結論から申し上げますと、品物には問題はありません。
生育状態が良く、よく削れるトクサです。

ではなぜバリバリに割れて粉砕してしまうのかというと、使う前に
水に浸す時間が少ないからです。
必要な時間は20〜30分なのですが、ご質問頂いた方達が浸しておられた時間は
いずれも5分以下でした。
この時間だとほとんど乾燥した状態と変わりがありませんので、粉砕して
しまうのも納得です。

技術をお教えする者としてトクサの使い方は頻繁にご説明していますが、
相変わらず質問が多い事項のトップです。
どうしたら解決するのか思案中です。

※拙著をお持ちの方はp.90をご覧下さい。詳細にご案内しております。


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梱包材で一工夫

薄め液を筆洗い用に別の瓶に分けて頂いていますが、これが
道具入れの中で倒れて金・銀泥の包みに浸透してしまうという
「事故」が起きることがあります。
浸透してしまうと金・銀泥は固まってしまい、使えなくなって
しまいます。
10月から受講を初められた方が、この「事故」を避けるとても
良い工夫をされていました。

ちょうど小分けした瓶がすっぽり入る穴が空いた梱包材を利用して
瓶が倒れないようなケースを作られていたのです。
空いた空間がある道具箱だと、どうしても瓶の転倒が心配になりますが、
これがあれば安心です。
このような工夫をして「事故」を防いで頂けたらと思います。

ところでもし金・銀泥に筆を洗って新うるしを含んだ薄め液が浸透して
しまった場合、洗って復活させる方法があります。
ある程度の損失が出ますが、洗う過程で粒が揃うということもあります。
ただ時間がかかります。
また私の方では説明するに止まりますので、ご自身で作業をして頂く
ことになります。

この点を考えますと、やはり「事故」には合わない方が良いかと思います。


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カルチャーセンターの講座の進め方

陶磁器に蒔絵する技術だけカルチャーセンターで教えてもらえないか
とのご質問を頂きました。

残念ながら答えは「出来ません」です。
それはカルチャーセンターのシステムに反するからです。

カルチャーセンターとは従来流儀に入門しなければ教えてもらえなかった
ものを「グループ学習」というスタイルにすることによって、安価で
しがらみもなく学べるという近年生じた習い事の形です。

この安価で済む「グループ学習」とはカリキュラムに則り、一律同じ
ことを学んで頂くという縛りが生じます。
つまりご質問のように個人のご要望には答えられないのです。

同様の理由で自分の直したい器についてのみ教えてもらいたいという
ご希望にもお答え出来ません。

メリットを重視してカルチャーセンターを選ばれるのであれば、カリキュラム
で蒔絵をお教えする機会を待って頂くしかありません。
もしそれが待てないということであれば、私個人の教室に来て頂くのが
良いかと思います。

その他ご理解頂きたいのが、カルチャーセンターの教室は入れ替え制では
ないことです。
私の場合、一クラスの定員を12名としていますが、欠員が生じた数だけ
新規募集を行っています。
ですからクラスには必ず数年継続している方と、新規受講の方が存在する
ことになります。
これは大変良いシステムで、新規の方は先の工程の様子がわかりますし、
継続している方は基本の復習が出来ます。

新規の方に集中して説明してもらいたいので、教室の全ての方が新規受講の
方のみになる機会を待ちたいという方もおられるかもしれませんが、
そのような状態になるのは、クラス自体が新規開講の時だけです。

カルチャーセンターの教室にお申し込みになる前に、このようなものだと
いうことをご理解頂ければ幸いです。


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ふっくら仕上げ ありかなしか

このところ続けてご質問があったのが、金繕いの仕上げとは
ふっくら膨らんでいるものではないのか?です。

基本的に仕上げの状態は持ち主のお好みなので、ふっくらした仕上げは
「あり」と言えます。
そのような仕上げのみ教えていらっしゃる先生もおられます。

ただ過去の名品を見て頂くと、ふっくらした仕上げになっているものは
ありません。
器の形通りに欠損を戻し、ひびの仕上げであろうとも膨らんでいる
ことはありません。
ですので私共では茶道具の場合の例外を除いて、ふっくらと仕上げることを
お勧めはしておりません。

金繕いをする対象が日常に使われる器の場合を考えますと、ふっくらした
仕上げには箸やカトラリー類が引っかかる可能性があります。
引っかかると仕上げをしたところを痛める可能性があり、金繕いの寿命を
短くするかもしれません。

また洗浄の際にも痛める可能性が高いですし、汚れが溜まって不衛生になる
可能性も否定出来ません。

最初に書いたように仕上げの状態はお好みです。
もしふっくらした仕上げをご希望でしたら、手順は教室でご説明致します。


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金泥が銀泥に!

先日、あるカルチャーセンターで不思議なことがありました。
金泥で仕上げられたものが、途中で銀泥に変わってしまったというのです。

よくよくお話を聞くと、どうやら蒔筆に問題があったようです。
今回仕上げをする前に銀泥で仕上げをされていたのですが、それが蒔筆に
残った状態で金泥の仕上げをされたご様子なのです。
仕上げの工程を進めているうちに蒔筆から銀泥が出てきてしまい、金泥の上に
乗ってしまったのが原因と考えました。

蒔筆は金泥と銀泥で兼用しても構いませんと、ご説明しています。
しかしこれには条件があります。
毎回使った泥粉をしっかり払い落とさなければなりません。

どう払い落すかというと、楊枝などの先が細いもので蒔筆の穂先を
通したり、振ったりします。
これはなかなか言葉では表現しづらいので、教室で実演致します。

とはいえ根本的にご不安な方は、蒔筆を金・銀で別にするのがいいかも
しれません。
ちなみに私は分けています。
これは同時に金・銀の仕上げを行うことがあるからです。

ご自分の作業スタイルに合わせて、ご検討下さい。


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筆が痩せる理由

ある教室の生徒さんから筆が痩せてしまったと、ご相談が
ありました。
よくよくお話をお聞きしますと、洗い方に問題があることが
わかりました。
筆の洗い方は度々ブログでもご説明していますが、改めてご説明
したいと思います。

絶対やってはいけないのが穂先を金具のところで折ることです。
金具に当たって毛がどんどん切れていき、穂先が痩せていきます。

これは薄め液で洗う時、中性洗剤で洗う時など様々な場面でやって
しまいがちですが厳禁です。

中性洗剤で洗う際には、穂先に洗剤を含ませて爪で穂先をほぐしながら
洗います。
この時に決して穂先を引っ張ってはいけません。
やはり毛が抜けて、穂先が痩せる原因になります。

いい仕上げにはもちろん技術が必要ですが、筆のコンディションが
悪ければそれなりの結果しか出ません。
筆に機嫌よく能力を発揮してもらうには、手入れの仕方、保管の
仕方次第で決まります。

今までなさっていた習慣は一旦忘れて、上記の方法を守ってみて
下さい。
きっと良い結果が出ると思います。


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接着の段差

接着の際、段差が生じてしまったら、それを補うように
作業して頂いています。

段差は気にしませんという方もおられますが、段差が生じている
ということは、釉薬で守られていない素地が出ていることなので、
実使用上は好ましくありません。

汚れ溜まりにもなり、衛生上もよくありませんので、しっかり
直されるのをオススメ致します。

はっきり言って段差に関しては「味だと思って」という目の反らし方
はよくないと考えています。

ただこの作業で悩まれる方が多く、このところ説明方法を試行錯誤
していました。
その結果、私なりに掴めてきた感じがあります。
悩まれている方は、一度教室でご相談下さい。


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銀彩を戻す

セブンカルチャークラブ成田教室のHさんの作品をご紹介
致します。


破損としてはひびだけだったのですが、その修復過程で器の柄として
入っていた銀彩の丸い柄が削れてしまいました。

そこで削れてしまった柄を含めて銀泥で仕上げをして、他の丸い柄と
同じ硫化程度になるように人工的に硫化させました。
器全体を見て、違和感がなくなっているかと思います。

合わせて他の仕上げてこられた器も、ご紹介致します。


このスタンダードな仕上げは、難なくこなされています。
強いて言えばラインの描き方が、安定したいというところでしょうか?

Hさんは、他にも応用技術にチャレンジなさっています。
作業の進行が楽しみな方です。


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最初の教材

金繕いは、お金がかかる趣味だと誤解があるようです。
このところ教材に関してお問い合わせが続いてありました。

拙著でも材料は紹介していますが、金繕いの教室で初回にお配りして
いる教材です。
(2017年10月現在 ¥7,500)
費用のうち、ほとんどが金泥・銀泥です。

この他、絶対必要になるのがピンセットと仕上げ用の筆、特殊な形状の
カッターです。
これはご希望をお伺いして、必要な方だけ購入して頂いています。

あとは貝合わせのカリキュラムで、箔ハサミと平筆、金箔が必要になります。
消耗品の金箔はお求め頂きますが、道具は貸し出し用を用意しています。

以降は特別に必要になるもの以外、消耗品の新うるしや薄め液などを
無くなり次第お求めになるくらいです。
(金泥・銀泥以外は、¥500程度です)

使っているものは全て市販品です。
講師からしか購入出来ないというようなオリジナル製品は使っておりません
ので、ご自分で購入して下さった方が助かります。

またお手持ちの道具を持ち込み頂いても構いません。
他の金繕いの教室に通われていた時の道具や、他の工芸をなさっていた
際の道具をお使いになる方もおられます。

なるべくご負担のないように工夫しておりますので、安心して受講して
頂けたら幸いです。


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接着後の置き方

接着は一度に全ての破片を接着すると、ご説明してきました。
理由は元々同じ器が割れているので、破片となってもお互いを
支えあう関係にあるからです。
部分部分で接着すると簡単なようですが、角度や破片同士の
合わせ方に微妙なズレが生じ、結局ぴったり合わないことに
なります。

接着後、器の置き方でも形が合いやすい方法があります。
下の画像は10/29日曜日に接着し、翌日に撮影したものです。

口縁を下にして伏せた状態にしています。
この状態がアーチ構造になっているので、ズレが生じにくくなるからです。
石橋や教会建築の天井でもご存知かと思いますが、アーチ構造は
安定して強度があります。

この他、割れ方によって、よりズレにくい置き方があります。
接着の際には、それぞれの器でご確認下さい。


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