日別アーカイブ: 2014年12月18日

コンクリートに漆塗り

先日の庭園美術館•次室について、レポートします。
次室は香水塔と呼ばれるアンリ•ラパン(画家•室内装飾家)がデザイン
したオブジェがあり、これが見所のひとつとなっています。

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これの台座と、柱が漆塗りなのです。
それもコンクリートに漆塗りというのが重要で、金沢の漆職人で
あった遊部重二氏が考案し、昭和5(1930)年に特許を取得しています。

しかし技術としては、半世紀以上前になくなってしまっていました。
それを今回のリニューアルで再現に成功したそうで、展覧会では
そのサンプルを触ることも可能です。

展覧会上の資料では、この技術の具体的な案内がありませんでした
ので、どのような工夫がなされているのかわかりません。
想像するにアルカリ性のコンクリートに対し、生の漆が活着するのが
難しいのではないか、ということくらいです。

いずれにしろそれを克服する技術が復活したということは、漆の
史上最強の塗料としての面目躍如と言えるでしょう。

次の機会には、香水塔の復元についてレポートしたいと思います。


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