月別アーカイブ: 2015年5月

原稿あり

明日はセブンカルチャーセンター成田教室で、体験講座を
行います。
まず金繕いの歴史についてお話する所から始まるのですが、
これには原稿を用意してあります。

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緊張しやすい質なので、舞い上がってお話する内容が飛んでしまわない
ように準備してあります。
何回か行っている講座なので、毎回推敲し、書き込みがたくさんあり
ます。
また想定される質問の回答も盛り込んでありますので、情報量が
豊富なのです。

ちなみに右下に写っているのが、プロジェクターに映される画像です。
これも興味深い資料をご用意しています。

今夜は再度リハーサルをして、休みます。
よりよい講座になるよう、頑張ります!


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まだまだ修練中

このところ今までに経験がない状態の器の修復を、お預かりして
います。
そのうちのひとつが下の画像です。

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アパレルブランドが雑貨のラインで販売している器です。
お預かりした方からは、欠けの補修をと依頼されたのですが、
実は欠けよりもその周囲にあるヒビが気になっています。
どのような手順で修復しようか思案中です。

金繕いという物に出会ってからそれなりの年月が経って、相応の
経験があるつもりでいましたが、このようなものに出会うと
金繕いの奥深さを実感します。

ところで現在修復のご依頼は私個人と関係が深い方からか、ご紹介の
ある方からのみお受けしております。
それでも完成をお待たせしている状態です。
どうぞご了承下さい。


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箔をセットしました

貝香合を作る短期講座のため、少しずつ用意してきた箔を
お一人分づつセットしました。

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金•銀箔を大きさ違いで、箔合紙にはさんでセットしてみました。

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野毛です。
金箔を細く切ったもので、光の筋を表現したものではないかと
いう方もいます。
これは箔1枚を切ったものではなく、4〜5枚貼り合わせたものを
カットしているそうで、さすがにこれは市販品を使います。
ただし販売されているものは、10cm以上の長さがありますので、使い
やすい長さにカットしています。

野毛は金繕いの講座ではお出ししませんので、貝香合の講座ならでは
と言えます。
四角の切り箔、線状の野毛、粉状の砂子と、形状が違うものを使う
ことで、作品に深みが出ると思います。

使ってみたいという方のお申し込みをお待ちしております。


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体験会 準備完了!

TOPの新着情報やブログでお知らせしてきましたセブンカルチャー
クラブ成田の体験会の準備を行いました。

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すでに何回か行っているイベントなので、準備もこなれています。
回数をこなすたびに、いろいろ改良も加え、より楽しんで頂ける
ように工夫しています。

このところテレビで金繕い(金継ぎ)が取り上げられ、教室でも
その話題が出ていますが、改めて金繕いとは何なのかというのは
なかなか講座の中ではお話する機会がありません。

そのような教養部分あり、金繕いの技法をお話する実践部分ありに
加え、蒔絵体験もできる講座です。

まだ受付可能ですので、ご興味がおありでしたら、ご参加下さい
ませ。

日時:6月1日(月) 10:30〜12:30


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ホンビノス貝 食してみた

以前のブログで、貝合せのカリキュラムではホンビノス貝の
使用はご遠慮頂きたいとご説明しました。

ホンビノス貝はハマグリと同種ではありますが、北米原産で
船舶のバラスト水に混ざって日本に定着してしまったものです。

これが「シロハマグリ」とか、「大ハマグリ」などと称されて
販売されていることがあり、購入されてしまう方がおられます。

しかし日本人が古来より馴染んで来たハマグリで貝合せを
制作して頂くことが日本文化に触れることにもなりますので、
ハマグリで制作をお願いしたいと考えております。

とはいうものの、ホンビノス貝は食すとハマグリに似た味と
いうので、食べてみることにしました。

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ホンビノス貝にはハマグリのように柄はなく、一律白で、深い筋が
入っています。

最初はハマグリと食べ比べる為にお吸い物にするつもりでしたが、
どうしてもこの筋に入った汚れのようなものが気になり、また
酒蒸しにしてしまいました。

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今回はオリーブオイル&醤油の和洋折衷味です。

実際食べてみて、確かにハマグリに近似した味だとわかりました。
10個で360円でしたので、価格も手頃だと思います。
料理をするならば、十分楽しめるのではないでしょうか。

しかし工芸品を制作するのには、外観の美しさにおいてハマグリに
勝てるものではありません。
やはり貝合せには、ハマグリをお使いになるのをオススメ致します。


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ニベ 入手しました

少し前にNHK文化センター横浜教室で話題になりました「ニベ」
を入手しました。

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ニベとはスズキ科の魚で、これの浮き袋を煮出すと、強力な接着材を
作ることが出来ます。
(画像は浮き袋を乾燥させたもの)
江戸時代には弓の制作に使われていたくらいです。

「にべもない」のにべはこの接着剤を指し、意味は接着力の薄い、
すなわち愛嬌、愛想もないという意味になりました。

ニベ=イシモチと思っていたのですが、今回調べ直してみて、勘違いと
わかりました。

接着剤のニベを作るニベは、ホンニベとも言い、練り製品の加工材料にも
なります。
イシモチと呼ばれる魚はシログチで、関東では両方を混同しているケースが
あるようです。

それにしてもニベの浮き袋が強力な接着剤になると結論つけられるまで、
どれだけの試行錯誤があったのでしょうか?
そもそもそれにたどり着いたのは、どのような経緯があったのでしょうか?

動物から作る膠は世界中で存在しますが、ニベという魚の浮き袋から
接着剤を作るというのは、いかにも海に囲まれた日本ならではという
気がします。


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藍 順調に生育中 2015

先日発芽したとご報告した今年の藍ですが、その後順調に生育
しています。

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種苗メーカーによると、発芽率は70%以上ということだったのですが、
90%近い発芽率となりました。
10cmくらいまで生長したところで、プランターひとつに2株づつ
分ける予定です。

水を好むので、これからの季節は水やりが欠かせません。
今後も順調に育ってくれることを祈って、せっせと水やりします。


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貝磨きにクエン酸は駄目

カリキュラムの中の「貝合せ」には、ご自分で磨いて頂いた
ハマグリ貝を使って頂いています。
その磨き方は教室で説明する通りに行って頂きたいのですが、
ある教室の方が、お教えしていない方法で磨こうとなさいました。
それはクエン酸を使うというものです。
その結果が下の画像です。

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光沢が全くありません。
まるで何年も海で洗われたかのような感じです。
ご本人のお話ですと、クエン酸をかけると泡が出たそうです。

貝がらの主成分は炭酸カルシュウムとタンパク質です。
かたやクエン酸は、ナチュラルクリーニングでソフトなイメージが
ありますが、あくまでも酸なので貝がらを溶かすのです。

確かにクエン酸は、水あか、鏡のうろこ汚れに効きますが、ハマグリの
白い膜をこれとイコールと考えてはなりません。

講師は、研鑽の結果得られた「最短にして最良の方法」をお教えするのが
仕事だと思っております。
その為、一般的に言われる方法であっても、検証の結果、何らかのリスク
がある方法は排除しています。
この検証は、受講生の方がすぐ思いつくような方法は全て試してあるという
くらい蓄積があるものです。

お教えしないということは、承知していないからではなく、失敗しやすく、
かつリカバリーが極めて困難になるからだとお考え下さい。

画像でご紹介しました貝は、どのような方法をとっても永続して美しい
光沢がつくことはありません。
どうぞこれを教訓に、お教えしている方法で磨くようお願い致します。


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自作のペンケース3

自作のペンケースをご紹介してきましたが、随分前に制作されて
いたNHK文化センター ユーカリが丘教室のNさんのペンケースを
ご紹介致します。

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赤い花柄の表地に内側の青磁色の生地の取り合わせが、とても素敵
です。

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秀逸なのが、丸め方です。
両サイドから丸めて、真ん中で蝶々結びをします。
これが生地のかわいらしさととても合っています。

通常は端から丸めて、全体を紐で巻きます。
この真ん中合わせは、あまり中の道具を動かさずに止められるのも
いい点かと思います。

これからペンケースを作ってみようかと思っておられる方は、是非
参考になさって下さい。


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大きい欠けの直し

NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
大きく欠けていたところを埋め、金泥で仕上げられました。

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金泥の直しが、力強い蛸唐草の文様に負けていません。
金泥の光沢感も綺麗です。

Iさんは欠損の埋め方が大変お上手なので、これが仕上げに好影響なの
だと思います。

大きさのある仕上げの場合、小さい仕上げよりも注意が必要になってきます。
これは以前にも書いていることですが、復習を兼ねて再録したいと
思います。

まず新うるしのコンディションが大事です。
粘度はどうか、口金の状態はどうか等で、使う道具も変わります。

さらに塵埃が入らないように器の洗浄から注意し、室内の清掃にも
気を配ります。

テクニックとしては、筆の太さに負うところが大きくなります。
また筆を使わない方法を選択する場合もありますので、欠けの形状に
よってご相談下さい。

最後の工程となる仕上げです。
よりよい仕上げをお考えでしたら、自分はどのようなことをすれば
いいのか、教室でお尋ね下さい。


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