月別アーカイブ: 2015年4月

皿貝磨き

このゴールデンウィークは、貝合せの講座の準備に費やしています。
まずは皿貝を磨いてみました。

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皿貝には、アラスジサラガイ、ベニサラガイ、サラガイの3種類があり、
市場にはどれも皿貝として入荷されます。
皿貝は白貝とも呼ばれ、美しい曲線を描く白い外観と、鮮やかな色の
内側がさくら貝を彷彿とさせます。

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内側の色は、かなり個体差があります。
自然の貝なので当然ですが、これを作品にすれば他にないオリジナルの
ものが出来ることになります。

TOPページの新着情報に入れましたが、この皿貝を使った講座を港北
カルチャーセンターと、よみうりカルチャー川口で計画しています。
ご興味を持たれましたら、講座へのご参加をご検討下さいませ。


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鍋敷きを活用

NHK文化センター横浜教室のSさんから、鍋敷きが便利と随分前に
お聞きしていました。
それがようやく手に入ったので、ご紹介致します。

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どんな時に使うかというと、大きくて重い器、ガラス器などの作業を行う
時に、クッション材や滑り止めにするのです。
器を傾けて削りの作業を行う時などに、テーブルに当たって破損するのを
防いでくれたり、同じ状態をホールドしやすいと思います。

ランチョンマットなどの布類だと削りカスがひっかかりますが、上の画像
のようなシリコンゴム製ですと簡単に洗浄が可能というところも便利です。

画像でご紹介したものはIKEAの商品で、いずれも300円以下と安価なのも
嬉しいところ。

何かいいものはないかと思っておられたら、ぜひお試し下さい。


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かごの道具箱

よみうりカルチャー大宮教室のAさんの道具かごをご紹介
致します。

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インテリアコーディネーターをなさっているAさんは、お持ちになる器が
とてもセンスがいい方です。
そして道具入れにしているこのかごも、とてもおしゃれです。
縁が外へ反り返った四角い本体部分にしても、把手にしてもAさんのセンスが
現れています。
このかごならば、そのままリビングに置いておいても違和感がなさそうです。
こういう観点で道具箱を選ぶのもいいなと思いました。

いろいろ道具箱をご紹介させて頂きましたが、道具箱選びに迷っている方が
参考にして下さっているようで、とても嬉しかったです。


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自作ミニ箔ハサミ

先日ブログでご案内しました港北カルチャーセンターでの
「自然の貝で貝香合作り」ですが、少しずつ準備を進めています。
今回の講座では切箔や野毛を扱って頂きますが、その際にミニ
箔ハサミが必要なので、自作しています。

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画像左が自作の品で、右が市販品の先を自分でカスタマイズした
ものです。
ポイントは材料が竹は竹でも家庭用品を使って作っているところです。

試しに一つ作って使ってみましたが、使い心地はなかなか快適です。
すでに必要分材料は揃えたので、あとは組み立てるだけ。
講座初日には間に合いそうです。

自分で作ってみて、どういう状態が箔ハサミとして必要なのかわかって、
思わぬ勉強になりました。
ちなみに非売品です(笑)。


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ブラフ18番館 リニューアル

先日リニューアルオープンした横浜山手西洋館のベーリック•ホールに
ついてレポートしました。
今日はリニューアルしたもう一つの西洋館「ブラフ18番館」について
レポートします。

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外壁を塗装しなおして、青い空、新緑に映えています。

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リニューアルのメインは、2階展示室を寝室として設えたことです。
この部屋は以前は人形の家から貸し出しを受けた人形が展示してあったことも
ありましたが、応接セットが置かれた味気ない空間になっていました。

それが今回、平成26年に解体された横浜市南区の洋館から昭和初期の
ベッド2台、服箪笥、ナイトテーブルが寄贈されました。

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寄贈された家具は、横浜家具の職人によって修復されています。
それぞれにアールデコを思わせる同じ彫刻があります。

以前から生活空間を再現していた1階に続き、寝室が設えられることに
よって、より当時の生活がイメージしやすくなりました。
ミントグリーンの建具がかわいらしいと人気があるブラフ18番館ですが、
今後よりファンが増えるのではないでしょうか?

横浜山手西洋館では、「花と器のハーモニー」というアーティストによって
館が飾り付けられるイベントが今年も6月6日(土)から14日まで行われます。
合わせて新しくなったブラフ18番館をご覧下さい。


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ベーリック•ホール リニューアル

横浜山手西洋館の中で最大規模のベーリック•ホールが4月に
リニューアルオープンしました。
それを見学してきましたので、レポートしたいと思います。

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リニューアルの大きなポイントは、2階「令息寝室」壁の修復です。
この壁は、日本では珍しいフレスコ技法(砂と石灰を混ぜて作ったモルタルで
壁を塗って、その上に水だけで溶いた顔料で絵を描く方法)によって作られて
います。

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この技法は先般ご紹介したボッティチェリ展のフレスコ画と同じものです。
青緑色の鮮やかな色が印象的です。
これは石灰水が顔料を覆い、空気中の二酸化炭素と反応して透明な結晶になり、
顔料はこの結晶に閉じ込められて、美しさを保ち続けるのです。

この壁は数年前放映されたテレビ東京の「美の巨人たち」で、大津磨きと紹介
されていましたが、これは間違いです。
確かに大津磨きも光沢のある左官壁ですが、こちらの色は土自体に色がついて
おり、コテで圧力をかけるようにして鏡のような仕上げを作っているのです。

この番組で間違っていたのは、他にもあります。
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これは食堂の飾り棚置き場として設けられたアルコーブですが、これを
日本の床の間様としていました。

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こちらは食堂の天井で、化粧梁組天井です。
梁の材が化粧材で覆われており、白い部分のすぐ上は2階床になっています。
これが「美の巨人たち」では日本の格天井としていました。

格天井とは格縁と呼ばれる格子状に組んだ材を梁から下げて作ったもので、
格子の中は鏡板と呼ばれる材がはめ込まれています。
ですので2階天井と1階天井の間には空洞が出来ることになります。

このような間違いが生じたのは、ベーリック•ホールを設計したJ.H.モーガン氏の
藤沢の自邸が焼失してしまったことに起因すると思われます。
モーガン氏の自邸は、日本と西洋が融合した個性的で、魅力に満ちた建物でした。
それが熱心な市民運動が実り、保存が決定した直後に焼失してしまったのです。

この建物を愛して止まない方達からすれば、残されたベーリック•ホールに日本の
テイストを見つけたいと思う気持ちは理解出来ます。
しかし建築様式に精通し厳格にその様式を実行したモーガン氏が、フィンランド
領事という肩書きを有していたベリック氏の邸宅に、個人の好みを混入させた
とは考えられません。
あくまでも当時最先端の流行であったスパニッシュ様式に徹したと思われます。

ベーリック•ホールは、「夫人寝室」の模様替えも行っています。
ゴールデンウィークには、西洋館は新緑に包まれて気持ちのよい散策コースに
なります。
新しくなったベーリック•ホールを是非見て頂きたいと思います。

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自然の貝で貝香合作り

港北カルチャーセンターで、貝香合作りの短期講座を行います。
皿貝、はまぐり、ヒオウギガイの3種を、パール粉や金銀箔で
装飾したものです。

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完成した作品は、絵を描いて貝合せに仕立てる他、食器としても
使えるので、珍味入れやわさびをのせたり、ティーバックトレー
としても使えます。
またアクセサリトレーとしてもいいかと思います。

美しいものを生活に取り入れる…そのように楽しんで頂ける講座を
考えております。
ご検討、よろしくお願い致します。

講座日:6/6(土)、7/4(土)、8/1(土) 全3回
時間 :15:30〜17:30


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銀座ライオンの内装デザイン

創建81年を迎えた銀座ライオンに出かけました。
先日の自由学園明日館とは14年の差がありますが、共通した
印象があります。

「豊穣と収穫」をコンセプトに大麦や葡萄をモチーフとした装飾が
施されています。
歴史と風格を感じる雰囲気から「教会のよう」と言われるそうですが、
これが明日館との共通点かもしれません。

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正面の大型ガラスモザイク壁画です。
ビール大麦を収穫する女性達が描かれています。

手前にある半円形のオブジェは、中央に立つ柱の側面を水がつたい落ちる
噴水だったそうですが、現在は止められています。

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入口方向を見たところです。
ビールの泡をイメージした水玉模様の照明や、葡萄の房をモチーフに
したシャンデリアが下がっています。

太い柱には矢じり型の装飾がされていますが、これは大麦を表現して
いるそうです。

近年東京駅が再建されるように、日本でも古い建築物の保存が熱心に
行われるようになってきました。
年代を経た建築物には、唯一無二の存在感があります。
今日は、その存在感を堪能出来ました。


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紫に馴染む

NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。

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深い紫色の花器です。
これの耳の部分が欠損してしまったのを埋めて、仕上げられました。
銀泥で仕上げたものが硫化し、紫色の釉薬に馴染んでいます。
一見するとどこが破損していたのか、わからないくらいになっています。
銀泥がおもしろいところは、このような紫色の釉薬にも馴染むところ
かと思います。

受講を始めたばかりの方は、金泥から練習を始めますので、銀泥の
包みは開けたことがないという状態だと思います。
金泥に比べて銀泥は少々コツがありますので、それを理解してから
なさるのがよいかと思います。

Mさんの花器は欠損が複雑で、埋めるのに難儀されました。
必然的に仕上げも複雑で悩まれたのですが、妥協することなく、
やりなおしされた結果、よい状態で完成を迎えました。

ここまでなさったので、完成の喜びもひとしおかと思います。
ぜひ皆様にもこの感動を味わって頂きたいと思います。


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バニティ•ボックスを使う

好評(?)企画の道具箱シリーズです。
今回はNHK文化センター千葉教室のSさんの道具箱を、ご紹介
致します。

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バニティ•ボックスと言われる大型の化粧ポーチです。
ボックス部に深さがあるので、薄め液などの高さのある物も入りますし、
仕切りがついているので分類も出来ます。

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いいなと思ったのが、蓋の部分に道具が入れられるところです。
本来は化粧用のブラシを入れるところですが、道具類でも丁度良いようです。
またSさんがお持ちのボックスは強度があり、上に器を載せても十分耐え
られるそうです。

実は結構このバニティ•ボックスを道具箱として使っている方がいらっ
しゃいます。
きっと上記のような点が使いやすいからではないかと思います。

今回ブログを書くにあたってバニティ•ボックスを検索してみたところ、
そもそも1950年代に旅行用として流行したものだとわかりました。
それが現在、再流行しているのだそうです。
ボックス一つに必要な物が収まるという便利さからでしょうか?


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