着彩する2

NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
先日の作品と同様に、着彩で綺麗に直されたものです。

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ティーポットの蓋です。
割れを接着した線が葉を横切っていたのを、着彩して分からなく
されました。
色がバッチリ合っているので、全くわかりません。
というのもIさんはポーセリンアート(洋食器の絵付け)をなさって
いるので、新うるしの色揃えがあれば「いくらでも出来る。」と
おっしゃるくらいなのです。

ところで、この蓋。
少々数奇な運命がありました。

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修復前の状態です。
色がベージュがかっているのが、お分かりになるかと
思います。
ポットの本体が白なので、Iさん自身、違和感があったそうです。

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修復の過程で現れたのが、本当の地色の白でした。

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どんどん磨いていくと、何とてんとう虫が現れたのです。

どうやらお求めになった骨董商が、割れを隠すために蓋の表面を
ベージュ色で着彩していたようなのです。
てんとう虫の細かいところを上手く残せなかったので、全て隠して
しまったのではないかと想像されます。

思い切って徹底的に金繕いすることを決断した結果、違和感を
持たれていたベージュ色もなくなり、失われていたてんとう虫も
現れました。

今回の成果は途中の画像で見て頂けるような、葉の色の欠損を
綺麗にされたことです。
てんとう虫の赤も合わせて着彩され満足のいく結果になって、
お勧めした私も感動致しました。


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