月別アーカイブ: 2017年4月
トクサの新芽が出る 2017
昨年栽培に失敗したトクサから新芽が出ました。
あまりの状態の悪さに投げやりになり、水やりすらほとんど
していませんでした。
にも関わらず新芽が出ていたのです。
トクサの生命力に感謝です。
昨年の失敗の原因は、真夏の水やり不足です。
豊作だった年を振り返ると、藍と一緒に毎日の水やりと豊富な肥料の
恩恵に預かっていたのでした。
トクサの栽培に悩んでいる方は、水の与え方を工夫してみて下さい。
私は鉢の下に皿を敷いて、常に水が溜まっているようにしています。
睡蓮鉢に浸すという方もいるくらいなので、盛夏時期はその方法を
取ってもいいかと思います。
今年は藍も育てる予定です。
一緒に水やりを行うことにして、何とか復活を願っています。
真綿で磨く
先日金箔を貼った小さめのハマグリ貝を真綿で磨きました。
下地に塗った弁柄漆の厚みによって違いますが、大体1週間から2週間で
磨いて頂くようにお願いしています。
磨いて頂くと分かりますが、金箔の定着を促し、光沢も出ます。
残念ながら、この作業を行って頂けないことが多いのです。
その理由は様々。
磨くと酷い状態になりそうで怖くて磨けなかった。
磨くことを忘れていた。
何もしなくていいと思い込んでいた。
等々です。
真綿で磨くと、確かに問題があらわになります。
でもそれは修正が出来るので、安心して光沢出しを優先して
頂きたいと思っています。
決してやらなくても大丈夫な作業ではないのです。
お見せ下さい
よみうりカルチャーセンター大宮のOさんの作品をご紹介
致します。
仕上げは2品目になるかと思います。
教室で仕上げに挑まれたのですが、塗り残しが出たり、刷毛目が目立ったり、
ホコリが入ってしまったりと何度もやり直しをされました。
結局時間切れでご自宅で仕上げられたのですが、あまりに私がやり直しを
お願いしてしまったため、教室にお持ちになるのを躊躇されてしまいました。
しかしお持ち頂けたものは上の画像のように大変綺麗な仕上げだったのです。
どこがいいかというと、全体の形です。
主に輪郭線で決まりますが、元々の欠損なりに仕上げるとしても、ある程度
ご本人のお好みが出ます。
これがとても円満な形に描かれており、好感度が高いのです。
いずれ銀泥が程よく硫化したところで、硫化止めを行う予定です。
講師をしていて喜びの一つが金繕いをされていた器の完成を見せて
頂けることです。
様々な過程を踏んで再び使えるようになった器を見ると、充足感に
満たされます。
どうぞ完成した器はお手数でも教室にお持ちください。
急須蓋の補強
よみうりカルチャーセンター大宮教室のSさんの作品を
ご紹介致します。
急須蓋が割れたのを接着し、補強もされました。
かなりバラバラに割れていた急須蓋でしたが、接着後、蓋の内側の
目立たない部分で補強されました。
持ち主であるご友人は、どこで補強されているのか、わからないかも
しれません。
それもSさんがしっかり段取りした上で接着され、丁寧な仕事ぶりで
仕上げられていることに大きな理由があります。
ご本人としては表の仕上げの線が不本意だとおっしゃるのですが、
全体の完成度から見れば、大した問題にはなりません。
昨今「簡易金継ぎ」なるものを提唱される方もいらっしゃいます。
それはそれで需要があるのですからよいと思いますが、やはりSさんの
ように手間がかかる技術にも挑まれ、美しい完成品を見ると、本来
金繕いとはこうあるべきと思わずにはいられません。
コロコロ三代目
講師の仕事の際に使っているコロコロがついに三代目に
なりました。
1代目はキャスターが壊れ、2代目はやはりキャスターが雨の後に
動きが悪くなってしまいました。
三代目は押入れの天袋に死蔵していたものなのですが、旅行かばん
メーカーのものなのでキャスターの性能がいいのです。
何も持たずに歩いているのと感覚が変わらないくらい楽な使い勝手に
感動すら覚えます。
ところでこれだけ大きいコロコロのせいか、何でも入っているように
思われます。
販売する教材やサンプルを常に持っている感じがするのでしょうか。
残念ながら行商をしている訳ではないので、教材はあらかじめご依頼
頂いたものしか持って行きませんし、サンプルもその日の講座内容に
合わせたものしか持ちません。
ご要望の教材がありましたら、翌月になるのをご理解の上、ご依頼
下さい。
サンプルに関しても同様です。
小さめハマグリ貝
先般の雛まつり時期に入手した小さめのハマグリ貝に
金箔を貼りました。
横幅がだいたい3cmくらいの、香合にするのには程よいサイズです。
金繕いの教室でハマグリ貝に金箔を貼るカリキュラムを行って
いますが、ハマグリ貝のサイズはお好みで選んで頂いています。
このくらいのサイズだと箸置きにしてもいいし、ワサビを盛って
お刺身に添えてもよいかと思います。
一般的に貝合わせというと、膠を使って金箔を貼られています。
亀甲紋などの盛り上げも胡粉と膠で作ることになります。
教室でお教えしてるのは、全て新うるしを使って制作して頂きますが、
膠で制作するより金箔は綺麗に貼れますし、盛り上げもシャープな
ラインが出ます。
何より食器として使えるくらい定着力があるので、絵付けを行ったものを
洗って描きなおしても金箔には一切影響がありません。
アクリル絵具を使って制作される方もあるかと思いますが、やはり本物の
金箔を使用した物は迫力があるのではないかと思っています。
上の画像のハマグリ貝も目的を持って制作しています。
何になるかは、また後日。
痛みと不調がなくなる血流コントロール
10年以上お世話になっている鍼灸師の落合壮一郎先生が本を出版
されました。
「痛みと不調がなくなる血流コントロール」(大和出版)です。
今でこそ各地のカルチャーセンターで講座を持ち活動している私ですが、
かつては体力がなく、いつも何だか具合が悪い未病状態が常でした。
そんな時に友人から「こんなに効果がある治療は他にない」と紹介されたのが
落合先生だったのです。
その後、落合先生の治療で見違えるように健康になり、昨年の出版作業も
乗り越えられました。
今回先生が出版された本には、難しいと思われがちな東洋医学について、
「気」と「血」のエネルギーの重要性に絞ることによって分かりやすく
解説されています。
また、その時々の肩こりや腰痛などの痛みを取るというのではく、自分の
状態を把握し調整していくことによって健康な身体を作る方法が書かれています。
一人一人に寄り添って治療していくという先生のお人柄が表れた文体に、ほっと
されると思います。
東洋医学に興味がある方は、是非手に取られてみて下さい。
珍しい野菜
珍しい野菜を頂戴しました。
小松菜の菜花と「スイスチャード」です。
小松菜の菜花はシンプルに茹でて酢味噌で頂きました。
菜花でも小松菜らしい、さっぱりした味で、とても美味しかったです。
スイスチャードは蒸すとカロテンがなくなってしまうらしいので、
豚肉などと一緒に炒めてみました。
鮮やかな茎と緑の葉の色が残って、華やかな食卓になりました。
後でスープも美味しいと聞きました。
今度入手出来たら、スープにチャレンジしてみます。
ごちそうさまでした!
仕上げも上手
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介
致します。
割れてヒビも入った器を接着されました。
少々変わった形に割れていたのが、仕上げをすると面白く
なりました。
Mさんは欠損を埋めるのが得意とおっしゃる通り、お上手なの
ですが、仕上げも綺麗です。
上の画像の大鉢は、大きく欠けていたのを仕上げられました。
タイミングが良いので、金泥の光沢が冴えています。
Mさんは仕上げに苦手意識があるからこそ、一度で諦めてしまわず、
納得いくまでやり直しをされます。
仕上げは場数で上手になりますので、このやり直しが良いのだと
思います。
これは是非皆さんに参考にして頂きたいところです。