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盆栽鉢の金繕い
よみうりカルチャーセンター大宮教室のSさんの作品をご紹介致します。
盆栽鉢の金繕いです。
小さい鉢ですが、割れてひびが入っていました。
鉢の場合、植える植物の根張りと冬場に鉢が含んだ水分が凍結し、再度割れて
しまう可能性があります。
そこでSさんの盆栽鉢もひび止め、接着後、欠損を埋めた上で内側に和紙を
貼って頂きました。
和紙を使うと言うとどなたもびっくりされますが、Sさんの作品でご覧
頂けますように、上からしっかり新うるしを塗り重ねて「漆含浸和紙」の
状態になっています。
ですので水密性も問題ありません。
Sさんはとても作業が綺麗な方なので、通常の仕上げになる金泥の部分は
もとより、内側の和紙を貼った部分もこげ茶色で完璧に仕上げられました。
これで見た目も使用上も心おきなく使って頂けます。
詳しい手順は昨年私がご協力しました雑誌「盆栽世界」2018年7月号に
類似の破損状態のものが掲載されていますので、参考になさって下さい。
蘇った盆栽鉢
よみうり文化センター大宮教室のSさんから昨年金繕いした盆栽鉢に
桜を植えた画像を頂戴しました。
植えられたのは旭山桜だそうです。
桜のピンクと青空が綺麗な画像です。
お聞きして勉強になったのが木の正面と鉢の正面を合わせるという
ルールです。
木の枝ぶりの流れと鉢の流れを合わせるのが必須です。
お抹茶茶碗ですと金繕いした箇所が景色になると考えれば、茶碗自体の
正面が違った場所であっても変更しても構わないと判断される場合が
あります。
しかし盆栽鉢ではそれは叶わないようです。
割れた破片をはめて金繕いした場所は裏面になってしまったという「オチ」
がつきました。
しかしSさんがしっかり補強するところまで作業されているので、再び植物を
植えることが出来たことには変わりがありません。
裏面であってもご自身の満足感は大きいと思います。
Sさんの作業の様子は昨年6月の記事をご覧下さい。
※初出で内容に誤りがあり、訂正致しました。お詫び致します。