月別アーカイブ: 2014年2月
いい味
先日に続いてよみうりカルチャー大宮教室の生徒さんの作品を
ご紹介致します。
Sさんの作品です。
Sさんは釉薬に風合いのある陶器がお好みで、今回の2作品も同様の
品です。
上の画像の品は、荒々しい釉薬の感じに合わせて敢えて下地をきれいに
成形されていません。
その感じが実に“いい味”を出しています。
このようなテクスチャーは、やろうと思ったとしても簡単に出来る
ものではありません。
とてもよい仕上がりだと思います。
下の画像の小さな杯は、縁があちこち欠けていました。
それを金で仕上げて頂いたところ、釉薬の色と馴染んで仕上がりました。
少々の塗り残しを修正したら、より完璧な仕上がりになると思います。
Sさんはガラスにもチャレンジして下さっておりますので、次々完成
してくるのを楽しみにしています。
ご継続について
各カルチャーセンターでは、ご継続の確認の時期になっています。
金繕いの講座は長く受講して下さる方が多いのですが、最近
「半年お休みして、再受講します。」とおっしゃる方が増えて
います。
その際注意点があります。
受講して下さっているクラスにキャンセル待ちの方がいた場合、
一度継続を中断されるとキャンセル待ちの最後尾になるのが、
どのカルチャーセンターでもルールになっています。
キャンセル待ちの方が多いと、再受講出来るのがいつになるのか
まったくわからない状況になります。
またキャンセル待ちの方がないクラスでも、半年後は申込順が
優先されます。
受講の経験があっても優先権は全くないのです。
ですので申し込みが遅れると、再受講出来ない場合があります。
今回「募集中です」としているクラスでも、お席の余裕がたくさんある
わけではありません。
もし半年のお休みをご計画の方は、各教室で申し込み状況が違い
ますので、事務局に確認の上、ご判断下さい。
事務局にお席の確保の手段をご相談頂ければと存じます。
再トライ
今日はよみうりカルチャー大宮教室の方の作品をご紹介
致します。
Kさんの作品です。
Kさんは当初、仕上げをしなければという気持ちが先攻してしまって
下地の埋め具合が今ひとつでも仕上げしてしまっておられました。
これが他の方の作品を見て気持ちの変化があったのです。
やはり綺麗な仕上げがしたいと。
お教えしている立場としては、このようにお気持ちが変わられるのは
とても嬉しいことです。
結果としてとても綺麗な仕上がりとなりました。
仕上げはやればやるほど上手になります。
是非粘ってよりよい完成度を目指してみて下さい。
縁の欠け
引き続きNHK文化センター柏教室の生徒さんの作品を
ご紹介致します。
今日はHさんの作品です。
縁が数カ所にわたって欠けてしまったのを銀で仕上げられました。
以前からお話しているように、銀の仕上げはタイミングが難しいの
ですが、上手く仕上げられています。
また点々と欠けてしまっていると、仕上げた部分が際立ってしまうことが
あるのですが、銀の仕上げが化粧土の白と合致して違和感がなく、成功
していると思います。
Hさんの作品のように素地(土)や釉薬が弱いと次々欠けてしまうのは
めずらしくありません。
このような器の場合、今後の欠けの防護措置をした上で欠け部の修復に
着手します。
最終的な仕上げですが、なるべく数カ所に及ぶ欠けが目立たないように
手段がいくつかあります。
どのような方法を選択するのか、教室にお持ちになってご相談下さい。
思い切って仕上げ
昨日に引き続きNHK文化センター柏教室の方の作品を
ご紹介致します。
昨年4月から受講されたTさんの作品です。
しっかり欠損が埋まったあと、仕上げるまで迷われましたが、器との
マッチングがよい素晴らしい線が描けています。
距離が長く、複雑なヒビなのですが、これに関しても難なくこなして
おられます。
なかなか仕上げに踏み切れない方には、やり直しのチャンスがたくさん
あることをお話しています。
中でも蒔下の段階で行うのが一番簡単なので、ここで納得出来るまで
やり直しするのがよろしいかと思います。
仕上げに躊躇している方は、どこにやり直しのチャンスがあるのか、
手順はどのようにするのか教室でご質問下さい。
きっと仕上げにチャレンジする勇気が出ると思います。
仕上げの第1歩
昨日日曜クラスが新設されるとご案内しましたNHK文化センター
柏教室で仕上げをされた方がおられますので、順にご紹介したい
と思います。
まずは昨年4月から受講されているYさんです。
2つの作品、両方ともきれいな線が描かれています。
金を蒔くタイミングもよいと思います。
実は他にも欠けの仕上げをたくさんなさっておられたのですが、塗り
残しが出てしまい、再トライとなりました。
以前のブログでも線を引くより、欠けの仕上げはそれなりのテクニックが
必要になると書きました。
筆という道具を使う以上、筆の使い方の慣れは必要です。
お教えする立場としては、あっという間に上達する秘密の方法などあり
ましたら、それをお教え出来ればよいかと思いますが、残念ながら
それはありません。
都度私なりにコツはお話してはいますが、それはあくまでも話の上での
こと。
やはりご自分で実感して、練習を重ねなければ上達はありません。
そのためには綺麗な仕上げがしたい!という高いモチベーションが大切
なのでは?と思っています。
柏教室 日曜クラス新規開講します
すでにHOMEの新着情報に載せていますが、NHK文化センター
柏教室で日曜クラスを新規に開講致します。
第3日曜日の午後1時〜3時です。
平日のクラスにご都合が合わなくて、受講を諦めていた方の
お申し込みをお待ちしています。
昨日より受付が開始されていますが、本日の段階で定員の1/3の
お申し込みがあったと確認しております。
受講をご検討の方は、お早めにお申し込み下さい。
粉鎮 箸置きで代用
金繕いの講座を受講中の方から、粉鎮の代用品について
よいアイディアが寄せられました。
箸置きで代用が可能というのです。
確かに箸置きであればサイズもちょうどいいですし、材質や
デザインも豊富です。
お好みのものを探してみて下さい。
金泥 金の純度
先日金泥は金ではないのではないか、という質問を受けました。
そもそも金泥とは金箔を微細な粉末にしたもので、金の純度は
元にしている金箔に依ります。
その金箔が金の純度に関して独特の基準がありますので、ご説明したい
と思います。
実は金箔と称してよいとされているのは、純金58.82%以上からなのです。
一般的に銀と銅が混合されており、それらも「純金箔」と言うのです。
なぜ24Kでないものを「純金箔」と言うのか、とても紛らわしいのですが、
理由は定かではありません。
何かの事情から発生したとは思いますが、慣例としか表現出来ません。
ところで教室で教材としてお出ししている金泥は、金の含有率が97.66%
(23.4K)と高純度の一号金を使用しています。
パッケージに「純金泥」と表示されていますが、決して偽装表示では
ありません(笑)。
金色の泥という意味では、金と銀の合金から作られている青金泥、水金泥。
真鍮から作られている本金紛粉、準金泥などがあります。
金の含有率が低いもの、金ではないものについては、名称が違います。
当然これらは金泥とは色味が違いますので、必要に応じてお勧めしています。
銀 硫化中
NHK文化センター ユーカリが丘教室のNさんの作品を
ご紹介致します。
銀の仕上げが、いい色に硫化しています。
ちょうど釉薬の色に馴染んでいるので、ここで硫化を止める作業を
して頂き、縁については濃い色に合うまで硫化を進めることになりました。
このように部分的に硫化の進行度を変えることも可能です。
銀の硫化については、以前のブログに書きましたように様々な原因物質が
あります。
進行させるのに特別な方法はないのですが、箱や梱包材でしまい込んで
しまうのではなく、表に出しておいた方が進むのは確かです。
実は強制的に硫化を進める方法がありますが、自然に硫化するのとは発色に
相違点があります。
また薬品等を使用しますので、手順を教室でよくご確認下さい。