日別アーカイブ: 2014年6月22日

白系の釉薬に合わせる

一昨日に続きNHK文化センター柏教室で受講して下さっている方の
作品をご紹介致します。
本日は、Hさんの作品です。

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萩焼の作家ものの抹茶茶碗です。
白い釉薬が美しいお茶碗なのですが、縁の部分にいくつか欠けが
ありました。
骨董でいう「虫喰い」のような状態だったのです。

これを今後のホツレの予防措置を行って頂いた上で、欠けの部分を埋めて
頂きました。
仕上げは銀泥なのですが、仕上げてから少々硫化し、釉薬に馴染むのを
待って頂きました。
シルバー色ではありますが落ち着いた色に硫化しましたので、止めの作業を
行うことに。

画像でご覧頂けるように、直しをした部分が全く目立ちません。
Hさんは以前も白系の釉薬の湯のみを銀泥で仕上げられ、馴染んだところで
止めるというのに成功されていますが、これは他の教室の方々にも好評
です。
修復した部分をあまり目立たせたくないという方は、一つの方法として
ご検討下さい。

ところで銀の硫化を止めるタイミングは、どのように判断すればいいのかと
質問を頂きました。
これはどなたも悩まれる問題だと思いますが、一言で言うならば「好み」
なのです。
硫化の段階は目安としてお話していますが、置かれている状況で変色の
具合が違いますので、時間で規定することは出来ません。
ご自分がどのようにしたいかをお考え頂き、それに合ったと思う時に
止めの作業をして下さい。


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