説明は難しい

講師を始めて今年で12年になります。
現状に甘えることなく常にレベルアップを図っていますが、本当に
言葉は難しいと感じています。

金繕いの初心者が出会う言葉が「目止め」「ひび止め」ですが、同じ
「止め」が入っているせいか、間違って覚えてしまう方が多いのです。


目止めをしているところ

どんな世界でも同じところはあると思うのですが、言葉は覚えるしかないかと
思います。
車の運転には道路標識を覚えますし、英会話をしたいと思ったら単語を覚える
ようなものです。

また同様にご指摘があるのが「流れがわからない」と言うものです。
これはある程度説明しているのですが、やはりご自身で実感しないと腑に落ち
ないと思います。

私が金繕いを習い始めて腑に落ちた瞬間は、ひびに弁柄を塗り重ねていたものを
削った時でした。
綺麗にひびの亀裂の中に弁柄が入って欠損が埋まったのを見て「なるほど。
埋まればいいのね。」と理解しました。

金繕いの講座にお出で頂いている方それぞれに、そんな風に腑に落ちる瞬間が
来るよう精進したいと思います。


カテゴリー: 日常の風景   パーマリンク

コメントは受け付けていません。