月別アーカイブ: 2018年12月

世田谷ボロ市2018

今年も原一菜先生の引率で世田谷ボロ市に行ってきました。
今年の狙いは書道用の筆の購入と、何か作品作りに役立つ物の
購入でした。

会場への到着が昼間の都合で17時を過ぎてしまったせいか、どんどん閉店
していました。
いつもチェックしているお店も閉店していたり、違うルートで歩いて新しい
お店を見つけたりと色々ありました。

お店にあまり物がないなと思っていたら、同じ日の昼間に出かけた
生徒さんから身動きも出来ないくらいの混雑ぶりだったと聞きました。
ある程度の売り上げがあったので、早仕舞いだったのかもしれません。

しかし馴染みのお店が出店していなかったのが、いくつかありました。
お店が変わってきているのかと思われます。

目的の筆と、いくつか作品用の器を購入と成果はありました。
作品が出来ましたら、お目にかけたいと思います。


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室キャビネット

拙著にもご案内しております通り、一般のご家庭で室を作る場合は、
段ボール箱の活用をお勧めしております。

私自身も段ボール箱を室にしているのですが、作業部屋が北側にあるため、
この季節は低温になってしまうのが問題でした。
そこで専用のキャビネットを発注してみました。


外観はすでに持っていたキャビネットに合わせた突板です。
内部はホットマットの加熱に耐えられるようにメラミン化粧板にしました。
ホットマットの電源はキャビネット右側から取り入れ、棚板隅の穴でコードが
取り回し出来るようにしてあります。

早速加湿した段ボール箱を入れてみたところ、内部が本漆の固化に最適な
温度湿度を保っていました。

見た目よし、部屋もスッキリで、かなりご満悦です。


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蓋もの

よみうりカルチャーセンター大宮教室のSさんの作品をご紹介致します。
蓋もののツマミの取れです。


お預かりものなので出自が不明なのですが、個性的なデザインがおしゃれな
蓋ものです。
練りこみを捻ったようなツマミが根元から折れてしまっていました。

こちらを接着し欠損を埋めて、銀泥で仕上げられました。
銀泥はいずれ硫化して蓋の釉薬に馴染む予定です。

実は当初、かなり汚れがついていたのですが、洗浄したところ、見違えるように
綺麗になりました。
画像ではわかりにくいのですが、蓋はラスター釉のような光沢があります。

ツマミが折れてしまったことで長年放置されてしまったかと思われるのですが、
金繕いし元の姿を取り戻したことで又、愛用して頂けるのではないかと思います。


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目から鱗の質問2

昨日に引き続き、目から鱗の質問です。
金繕いの講座の見学にお出でになった方から「使えますか?」と
質問がありました。

この質問にはとっさに「使うために直しています。」とお答えして
しまったのですが、よくよくお話を聞くと仕方のない質問だった
のです。

というのもこの方は割れた器を瞬間接着剤で接着されていた為、何度も
剥離してしまうことを繰り返されていたのです。

拙著「金繕いの本」にも記載していますが、瞬間接着剤で接着してしまうと
不本意な形で接着されてしまうので、剥離して金繕いした方が綺麗に
仕上がります。

もう一つの問題が、見学に来られた方が体験したように剥離することにあります。
これは接着剤全般が耐熱温度が60度しかないからです。
よって熱い飲み物を入れる器に顕著に現れます。

剥離する度に接着し直していると断面に接着剤の残りが蓄積し、ますます
接着強度が落ちます。
これは悲しい話です。
「使えますか?」というご質問が出るのも当然です。

「また使いたい」というのが金繕いの原点です。
その言葉に改めて気がつかせてくれた質問でした。


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目から鱗の質問1

最近、目から鱗が落ちる質問を受けたので、ご紹介したいと思います。
いずれも金繕いに詳しくはない方からの質問です。

まず受けたのが「漆が塗料として使われるのは理解出来るが、接着剤、
充填剤として使われるのは理解出来ない。」というものです。


NOA 錆漆の硬化した状態

当たり前のように思っていたので、この質問を受けてびっくりしてしまった
のですが、現代の物は塗料は塗料ですし、接着剤は接着のみ、充填剤の
パテはパテとしか使われません。
1つの物が別の用途に変化するというのは、確かにないのです。

お答えしたのは「接着剤、充填剤として使う場合は、何らか別のものを
混ぜて使います。」だったのですが、さらに困惑した顔をされてしまいました。
そうです。
例え別の物を混合するとしても、現代のものではそのようなものはないからです。

本漆の説明をする時に「史上最強の塗料」とお話しますが、単純に質が強いと
いうだけでなく、変幻自在というところにもあるかもしれません。

化学的なものが一切ない縄文時代から日本人は漆を活用してきました。
何千年と時間をかけて有効な方法を見出してきたことを思うと、感慨深いものが
あります。


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金・銀

NHK文化センター ユーカリが丘教室の方々の作品をご紹介致します。

まずはIさん。
骨董の鉢を金繕いされました。

よくご紹介しているテクニックですが、染付の部分は銀泥で仕上げ、その他の
部分は金泥で仕上げられました。
銀泥が硫化すると染付の部分に馴染む予定です。

このような基本の金繕いは難なくこなされておりますので、当然仕上げも完璧の
美しさです。
縁に散逸している欠けも気になりません。

もうお一人はMさんです。
まだ仕上げを始めたばかりなのですが、大きな欠けの仕上げをなさいました。
均一に綺麗に仕上げられています。

ご経験のある方はご存知だと思いますが、大きな欠けの仕上げは難しいもの
です。
均一に仕上げるのには色々技法がありますので、教室でご確認下さい。

Mさんの反省点は、仕上げにゴミが混入してしまったことです。
こちらも回避の方法があります。
次回への経験として頂くことにしました。


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横浜山手西洋館 世界のクリスマス2018

今年も見学して参りました。
横浜山手西洋館が世界各国のクリスマス装飾に彩られるイベントです。

●山手111番館 エストニア

●横浜市イギリス館 イギリス

●山手234番館 イタリア

●エリスマン邸 モナコ

●ベーリック・ホール ドイツ

●旧山手68番館 エクアドル

●外交官の家 スペイン

●ブラフ18番館 フィンランド

今年のベストを選ぶなら「ブラフ18番館」です。
コーディネーターは「世界のクリスマス2010」でベストデコレーションに
選ばれたヘンティネン クミさん。

その実力は実証済みですが、今回の装飾も手を抜かず全力で挑んだ感があり
ます。
一つ一つの装飾がとても手が込んでおり見応えがあるばかりでなく、各部屋が
全く違うデコレーションになっています。

1階のサロンから白い氷の世界に始まり、サンルーム、リビングに抜けて
ナチュラルな感じに移行します。
そして真っ赤なダイニング装飾が待っています。

どこを見ても、どこを撮影しても美しいので、是非イタリア山庭園まで足を
伸ばしてご見学下さい。
会期は12月25日火曜日までです。


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ふっくら

藤那海工房 西登戸教室のKさんの作品をご紹介致します。
マグカップの把手に生じた欠けを金繕いされました。

作家さんもののユニークなデザインのマグカップです。
以前柄違いのものを金繕いされています。

今回の欠けは柄の上だったこともあって、少しふっくらとした仕上げに
なりました。
基本的にはフラットな仕上げをお勧めしていますが、器の印象と合って
いれば別に構いません。
Kさんの作品はまさにその例で、ふっくらした仕上げが似合う物でした。

皆様、ご自身の器にどんな仕上げが合うのか、楽しみに考えながら作業
なさってみて下さい。


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