月別アーカイブ: 2019年2月

革の筆巻き

生徒さんのオリジナル筆巻きご紹介シリーズです。
よみうりカルチャーセンター大宮教室のHさんの持ち物です。


革のハギレを利用したシンプル、簡単な作りになっています。
適当なサイズにカットした革の一部にカッターで切り込みを入れ、
紐を通しただけです。

特に袋状にされたりはしておらず、単純に1枚の革です。
これで筆は落ちないそうなのですが、革の裏側が適度な滑り止めに
なっているのかもしれません。

ご本人の反省点は紐を通す穴を2つ開ければ良かったということです。
というのは現状の1つ穴だと紐の取り回しを考えないと結べなくなって
しまうからです。

今まで拝見した中で最もシンプルな構成の筆巻きです。
縫い物が苦手な方でも簡単に出来るので、参考になさって下さい。


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生藍染めの古袱紗

生藍染めの生地を古袱紗に仕立てたいと思いつつ、ままならない
で時間が過ぎていました。
思い切ってツテを辿ったところ、思いがけずスキルの高い方に
縫製して頂けました。

全て生藍染めで、1染目と2染目の色の違いの他、生地でも違いが
出て、バリエーションが多く見えます。

手前の織り柄の入っている2枚は、他に使ってしまって生地の量が
足りず、少し小さくなってしまいました。

しかし何より完成しているのが大事です。
染めた生地が使えるようになりました。

縫製して下さった方、その方との間を取り持って下さった方に厚く
御礼を申し上げたいと思います。


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ハマグリ貝 修復への道1

先般、割ってしまったとブログを書いたハマグリ貝のその後
です。

破片を接着し、弁柄漆を塗り始めました。
破片が足りない部分がありますが、陶磁器の金繕いと同様に補って
直して行きます。

何となく金箔の部分がムラに見えるかと思いますが、保護のために
ヤマトのりを塗っているからです。

接着して形は戻ったものの、まだまだ修復は始まったばかりです。
また作業が進んだところで報告したいと思います。


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小さい箔ハサミ

切り箔を扱う場合、小さい箔ハサミがあると便利です。
以前のブログで家庭用品を利用した手作り箔ハサミを
ご紹介しました。

画像奥のものがそれです。
(手前は市販の物を自分で削ってカスタマイズした物)
正体は平串で、作り方は簡単です。

1.長さ10cmにカッターで切る
2.カッターで厚み1.5mm程度に薄く裂く
3.端材を2cmほどの長さにして根元に入れ、木工ボンドで接着
この時、先端が開くように端材を詰めると良い
4.輪ゴムで締めて1週間置く
5.和紙を木工ボンドで根元に巻く
乾燥したら完成です。

手間がかかる割に見た目がどうだろう?という思いが吹っ切れず、
新たに市販の物をカスタマイズしようと購入してきました。

このぼんやり丸い先端を加工するのも、それなりに大変ですね。


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民藝 Another Kind of Art 展

Tokyo  Midtown の21_21  DESIGN  SIGHTで行われている「民藝
Another  Kind  of  Art展」を見に行ってきました。
現代のプロダクトデザインの旗手、深澤直人氏がどのように民藝を
ディレクションするのか興味があったからです。


少々長いのですが、チラシに掲載されているメッセージに集約されている
と思いますので、ご紹介致します。

芸術家でも職人でもない人の無我な手から生み出されたものには、えも言われぬ
魅力が潜んでいる。
柳が提唱した「民藝」も、実はそのモノづくりに携わる人々の行き方を示してる
のではないだろうか。
形式や様式にしばられない飄々とした態度。一定の仕上がりを求めない自由さ。
私たちは民藝を愛し、尊敬し、民藝に心を動かされる。
ただ純粋にその魅力にくぎ付けになる。
「これはヤバイ」と。

展示は18のグループに分けられて、それぞれに深澤氏のキャプションが付けられて
います。
展示品のクオリティーの高さはもちろんなのですが、そのキャプションの内容が
とても興味深かったです。
ご存じの方が多いと思いますが、深澤氏のデザインはシンプルでモダンなのです。
そういう方がそれぞれのものを、このように解析するのかというのが面白かった
のです。

会期は2月24日日曜日までと迫っています。
展示品は多くないので、それほど時間は入りません。
会場も空いています。
ギャラリーの設計は日本が誇る建築家・安藤忠雄さんです。
安藤さんの広く、狭く、暗く、迷うといった空間を楽しむ工夫が楽しめます。
合わせてご覧になるのが良いと思います。


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菜の花2019

4月上旬くらいの気温というまで上がり、一気に春が来たような
今日、道端で菜の花畑に遭遇しました。

黄色の花は幸せな感じがしますね。
寒さに縮んだ身体が緩んでホッとします。

インフルエンザの流行もひと段落したようです。
皆様がお元気で教室にお出でになるのをお待ちしております。


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前に出る

NHK文化センター柏教室のTさんの作品をご紹介致します。
ディズニーキャラクターのアリエルのマグカップです。


以前にもスナフキンのマグカップの金繕いをご紹介していますが、
キャラクターの絵柄があるものだと、丁度顔付近に欠損があると
とても残念な感じになってしまいます。

そこで仕上げの線を少々着彩する方法を使うのですが、今回もその
手法を使って頂きました。

くっきり入っている黒の輪郭線は、私が調子に乗って、かなりな範囲に
入れています。
しかしこれが効果を奏してアリエルが浮き出す感じになりました。

金繕いは手間がかかります。
でもその手間をかけただけ効果があるのも魅力だと思います。


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貝合せの修理

ご縁があって、貝合せの修理のご依頼を受けました。
落としてしまわれて、かなり深刻なひびが入っています。

画像の状態はひび止めを行なったところです。
ひびの中に粉砕した貝の粉が入り込んで、上手く合わなくなってすら
いたのですが、何とかぴったり収まったようです。

とはいえ表面に深刻な亀裂が残っています。
今後はこの溝を埋めて、蒔絵を行う予定です。

今回の品は内側の絵付けが修復に耐えうる素材で描かれていたので
修理が可能でした。
何でも金繕いの技法で修理出来ますとは言えないと思います。


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桜舞う茶道具

藤那海工房 西登戸教室のKさんの作品をご紹介致します。
風呂という茶道具の欠けの直しです。


あちこちが欠けていたのを、桜の花びらの形で蒔絵されました。
元々、桜の花びらが陰刻+金彩で入っていたので、違和感がありません。

少々工夫してもらったのが、上の画像にある横に並んだ欠けです。
同じように見えなくするために大きさを変えて頂きました。

Kさんとしては同じ平面に欠けがなく折り返しが生じると、なかなか
形を整えづらかったとのことです。
確かに一番の難問だったと思いますが、仕上げた状態を見ると、その
ような苦労はわかりません。
そういう意味では大成功と言えるでしょう。

こちらのお道具はそろそろ出番が来るようで、それに間に合ったのが
幸いです。


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都内初の講座

TOPページでもご紹介していますが、私として初めて都内に講座を
開設することになりました。
毎日文化センターさんです。

日時 第3木曜日 10:00〜12:00
場所は地下鉄・東西線 竹橋駅真上 毎日新聞社1階です。
4/18スタートです。
既にお申し込みが受付られるようになっています。

ランチを食べて午後は美術館へ…といったスケジュールも組める
好立地です。
今まで通える範囲に教室がないと残念に思っておられた方に、ご検討
頂けたら幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。


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