カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品
盛り上げ
NHK文化センター柏教室のUさんの作品をご紹介致します。
金繕いではなく、「盛り上げ」とか「置き上げ」と言われる工芸です。
桐箱に胡粉を使って絵柄をつけます。
大切に扱わないと剥落してしまうので、実用品では難しいかと思いますが、
見て美しい品が出来上がります。
Uさんの作品は、胡粉の白さを生かして可愛いウサギが箱に浮かび上がり
ました。
金繕いの教室で同時に行うのは稀なケースです。
なさりたい方は方法をご相談下さい。
本漆で薫銀泥
藤那海工房で本漆の金繕いをなさっているKさんの作品をご紹介します。
飾り皿の欠けの修復です。
少々分かりにくいのですが、下の画像で縁の真ん中あたりが欠けていました。
欠損を埋めて、薫銀泥の焦茶で仕上げて頂いています。
私は本漆で金繕いをされるのであれば、粉固めが出来る丸粉で行うのがいいと
考えています。
これは使用と洗浄を繰り返す日用食器ならば、その方が耐久性があるからです。
しかしKさんの器は飾り皿ということで、目立たないことが再優先でした。
ですので色が一番合う薫銀泥の焦茶という選択になったのです。
実際、置かれる方向で見ると欠損部は全く目に入りません。
でも目立たない作業がしてあることで納得感が大きいと思います。
ケースバイケースで手段を変えるのが金繕いの醍醐味とも言えます。
西洋骨董の金繕い
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介致します。
西洋骨董の金繕いです。
画像の物の中には180年前の貴重な器もあります。
それぞれ欠けやひびがあったものを一気に仕上げて来て下さいました。
金繕いは日本発祥のものなので、洋食器は金繕いはしないものと思われて
いる方もおられます。
しかしSさんの作品をご覧頂ければ全く違和感がないのがお分かり頂けると
思います。
今後、更なるレベルアップとしては欠けがたくさんあるのを目立たせない
工夫を検討して頂くことです。
完成したところで又、ブログで紹介させて頂ければと思っております。
ひび3本
よみうりカルチャーセンター大宮教室のFさんの作品をご紹介致します。
巣ごもり期間中に仕上げて来て下さいました。
同じ角度には入らなかったのですが、湯呑にひびが3本入っています。
大きくはない湯呑に3本もひびが入っていると目立ってしまうので、
元々の柄の弁柄色を色漆で再現して頂きました。
この方法は度々ブログで紹介していますが、ほんの少しの手間で欠損が
目立ちにくくなります。
特にFさんの湯呑は弁柄色だったので、手がつけやすかったと思います。
成功の第1歩はFさんの金泥の仕上げが丁寧に細い線で描かれていることです。
これにちょっとした工夫が加わって高い完成度となりました。
今日までに次々完成作品を撮影させて頂く機会に恵まれました。
講座が再開されたと実感が深まります。
都内近郊の新規感染者が増えていますが、何とかこのまま踏みとどまって
欲しいと願っています。
蘇った盆栽鉢
よみうり文化センター大宮教室のSさんから昨年金繕いした盆栽鉢に
桜を植えた画像を頂戴しました。
植えられたのは旭山桜だそうです。
桜のピンクと青空が綺麗な画像です。
お聞きして勉強になったのが木の正面と鉢の正面を合わせるという
ルールです。
木の枝ぶりの流れと鉢の流れを合わせるのが必須です。
お抹茶茶碗ですと金繕いした箇所が景色になると考えれば、茶碗自体の
正面が違った場所であっても変更しても構わないと判断される場合が
あります。
しかし盆栽鉢ではそれは叶わないようです。
割れた破片をはめて金繕いした場所は裏面になってしまったという「オチ」
がつきました。
しかしSさんがしっかり補強するところまで作業されているので、再び植物を
植えることが出来たことには変わりがありません。
裏面であってもご自身の満足感は大きいと思います。
Sさんの作業の様子は昨年6月の記事をご覧下さい。
※初出で内容に誤りがあり、訂正致しました。お詫び致します。
洋食器の高台
NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
洋食器皿の高台です。
先般、高台は器を支えるので大事ですと書きました。
もちろん洋食器でも同じです。
Mさんのお皿は高台の部分が割れ、小さな破片となっていました。
それを接着したところズレてしまったので、周囲に弁柄漆を塗り重ねることで
段差を埋めて頂きました。
立体的な高台なので埋めるのも大変でしたが、仕上げも難しくなりました。
しかしその難易度の高さを乗り越えて、とても綺麗に仕上げられていると
思います。
裏返しにしなければ見えない高台の欠損ですが、難しいことにチャレンジして
良い成果を得たことはMさんの自信に繋がったのではないかと思います。
他にも難しい形にチャレンジされていますが、持ち前の根気良さで完成に
至って下さると思います。
ワンポイント
産経学園ユーカリが丘教室のNさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中にカップの欠けを仕上られました。
染付けのブルーが鮮やかなので、より金泥が輝いて見えます。
これはもちろん欠損の埋め方が綺麗に出来ているからです。
よく小さい欠けだと直さなくてもいいとお考えになる方がおられます。
しかし欠損をそのままにしておくと、より酷い状態になったり、使用上
危なかったりします。
昔の人が欠損がある器は縁起が悪いと言いましたが、そのような事を
縁起として言っていたのだと思います。
Nさんの作品を見て頂ければ、キズの大小に関わらずきちんと直したいと
思われると思います。
STAY HOMEの成果
NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中にたくさん仕上げてきて下さいました。
白い器は全体のシルエットはぽってりしているのですが、縁が薄く作られて
おり、欠損を埋めるのがとても難しい形でした。
それを丁寧に行なって仕上げたものが一堂に会すると圧巻です。
それぞれが違う場所が欠けているのも面白味になるのが金繕いの為せる技
でしょう。
こちらは欠けと隣合わせにひびと欠損が並んでいます。
金泥の仕上げが釉薬に馴染んでいるので、欠損の並びが気になりません。
これも下地の作業が綺麗になさっているからです。
陶器皿の幅25mmくらいの大きな欠けです。
これだけ大きな欠けになると仕上げが大変なのですが、太めの筆を使って
仕上げられました。
少々課題があるものの、完成度が高いのでこのままお使い頂くことに
しました。
課題はいつでも挽回出来ます。
とりあえず頑張った成果を誇ってもいいのではないでしょうか。
今回、Sさんの作品を見て驚いたのが、仕上げの完成度の高さです。
Sさんは納得いかなければ仕上げをし直す事を厭わない完璧主義なのですが、
その積み重ねがついに花開いた感があります。
今後の作品も今までの姿勢を貫いて取り組んで下さる事を願っています。
高台の仕上げ
産経学園ユーカリが丘教室のKさんの作品をご紹介致します。
STAY HOME期間中に仕上げて来て下さいました。
高台の形は作りにくいのですが、綺麗に形が再現されています。
金泥の仕上げも美しいです。
全容が裏返ししないと分からないのが残念なくらいです。
高台の欠損は目に入りにくいこともあって「修復しないでもいいですか」
という質問が多くあります。
しかし高台は器の自重を支えており、軽視は出来ません。
また表面の釉薬が損なっていれば破損の進行も心配です。
ですので高台に欠損があれば金繕いは必須とお考え下さい。
(もちろんレアケースもあります)
Kさんの作品はキラッと光る金泥がワンポイントになっているので
お使いになる時に楽しんで頂けると思います。
漆器の急須
NHK学園市川オープンスクールのTさんの作品をご紹介致します。
漆器の急須の把手が折れていました。
画像の正面に把手がついていたのですが、それが根元からスッパリ折れて
いました。
この形の急須をお持ちの方がおられるかと思います。
鄙びた感じに温かみがあって魅力的な漆器です。
しかし大きな問題点があります。
木取りの都合上、仕方のないことだと思いますが、縦に木目が走って
います。
その結果、荷重のかかる把手が折れてしまいやすいのです。
急須の把手は急須自体の重さばかりでなく、中に入ったお茶の重みも
支えます。
当然、お茶は熱湯です。
把手が破損すれば火傷の心配があり、再破損は避けなければなりません。
残念ながら根元から折れた把手を再破損しないように本体に固定するのは
簡単ではないのです。
という事情からTさんは把手を根元から削り取り、その後を本体に合わせて
漆を塗ることで分からなくしてしまいました。
今後は急須の本体を包むように持ってお使いになることになりますが、
漆器の特性でお茶の熱さは手に伝わりにくいと思います。
Tさんの丁寧な作業で痕跡はすっかり分からなくなりました。
新たな形として大事に使って頂けると思います。






















