月別アーカイブ: 2013年11月

成田先生の武蔵小金井教室 開講しました

現在募集は行っておりません。
次の募集時期が決まりましたら、ご案内致します。

同じ原一菜(いちな)先生門下の成田美穂先生が、武蔵小金井で
教室を開講されました。

成田さん作品
成田先生の作品

武蔵小金井では一菜会として、初めての教室開講になります。
講座の内容、カリキュラム等は、原一菜先生や私がカルチャーセンターで
ご提供しているものと全く同様です。

成田先生は原一菜先生のNHK文化センター町田教室や八王子教室など
で助手をされていますので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
本漆を本格的に勉強されている先生なので、きっと充実した内容に
ご満足頂けると存じます。

詳細を下記致しますので、ご興味のある方は成田先生までお問い合わせ
下さいませ。

講座日:毎月第1土曜日 14:00〜16:00
場所 :本間絵画教室
小金井市中町4-12-21

本間絵画教室

受講料:月 3,000円(3ヶ月ずつお支払い)

お申し込み•お問い合わせ
成田美穂先生 kintsukuroi-narita@willcom.com

◎成田先生は、本漆による修復も受けていらっしゃいます。
ご要望がありましたら、上記までお問い合わせ下さい。

 


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手製道具

本漆の金繕いでは、様々な工程でヘラを使用します。
今まで作業中、ヘラは適当に立てかけたりしていたのですが、
うっかりすると危険なので、専用の置き台を作ってみました。

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アガチス材の飾り台を拭き漆し、金具を取り付ました。
筆を置くことも可能です。

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真鍮製のL型金具は、「よーおれ」と言います。
漢字で書くと「洋折」ですが、販売時はカタカナかひらがなで表記されています。

金具には「よーおれ」のように不思議な名前があります。
丸い輪になったものは、「ヒートン」。
C型になったものは、「よーとー」。
漢字では「洋灯吊」となります。
意味は「洋式の照明器具を天井から吊り下げるための金具」なんですね。

これから類推するに「よーおれ」は、「よーとー」がL型に折れたもの
というところでしょうか?

しかし「ヒートン」は、語源など詳細がわかりませんでした。
謎多き金具の世界です。


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魅了される呼び継ぎ

以前呼び継ぎにチャレンジされているとご紹介しました
よみうりカルチャー大宮教室のMさんの近作をご紹介致します。

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ごく小さい破片ですが、呼び継ぎです。
器の輪花の形にも合って、上手く入れられています。
あとは隙間を埋める作業をすればいいのです。
Mさんは第2作になり、破片のカットも上達されています。

呼び継ぎとは以前ご紹介しましたように、欠損を別の器の破片から
持って来て埋める技術です。
これには直したい器と径、カーブ、厚みなどが合う破片が必要に
なります。
さらに完成した際に美しく見える必要がありますので、運とセンスの
両方が必要なのです。

Mさんは破片を見ると納めるイメージが湧くとおっしゃるくらいに
センスが磨かれているばかりでなく、呼び継ぎをされる運も
お持ちのようです。


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銀の変色

よみうりカルチャー大宮教室のSさんの作品をご紹介致します。
銀がお好みのSさんの作品は、今回も銀による仕上げです。

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前回も線を引く仕上げでしたが、格段に上達されていました。
今回はさらに補修方法を習得して頂きましたので、さらに楽に
仕上げの作業が出来るようになるはずです。

ところで銀は硫化して色が変化して行くのがおもしろいところでは
あるのですが、補修が必要だった場合は、注意しなければなりません。
というのも変化が始まってから補修すると補修部分と先に仕上げた部分の
色に違いが出てしまうからです。

補修が必要と思われましたら、出来るだけ早く作業されることを
オススメ致します。

さてこの銀の変色については、どのくらいの時間で何色になるのか?と
いうのが、とても多い質問です。
ご自宅の環境に左右されてしまうので、この質問は回答が大変難しい質問
です。
すぐさま変色が始まる方と、何年もかけて緩やかに変化する方と、その
程度は様々です。

そもそも硫化とは硫化水素による作用で、簡単に言うと硫黄分による
ものです。
日常生活では、自動車の排気ガス、パーマ液、界面活性剤、ゴム製品と
大変身近なものに原因があります。

加えて塩化反応と言ってドライクリーニングや家庭用漂白剤でも影響を
受けますので、ご自宅にどれだけこの成分があるかで決まる訳です。

というわけで何とも変化の時間が申し上げられないのです。


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ウッドクリップ入手先

作業途中の器を安全にお持ち帰り頂く時に、便利な道具として
ご紹介しているのが、小さなウッドクリップです。

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私は100円ショップで購入しているのですが、見つからないという方が
多くいらっしゃいました。

そこに耳寄りな情報を頂きました。
手芸店でも取扱いがあるそうなのです。
ウッドクリップを塗装したり、別パーツを取り付ける工作用だと
いうことです。

100円ショップで見つからない、近くに100円ショップがないという
方は、手芸店を探してみて下さい。


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トクサの刈り取り

寒くなって来たので、そろそろトクサを刈り取られる方が
出て参りました。
それに伴いご質問も多くなってきましたので、ご紹介したいと思います。

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トクサは根元から刈り取ったあと天日に干して乾燥させますが、稀に
画像のように茶黒く変色することがあります。
これは腐敗というか、カビてしまったことによるもので、通常でしたら
緑のまま乾燥し、やがて薄茶色になるはずです。

しかしこのような状態になっても心配することはありません。
このまましっかり乾燥させれば、道具として使用するのは全く問題
ありません。

このような状態を回避するには乾燥の仕方に注意すればいいのです。
平に広げて乾燥させて下さい。
ドライフラワーのように束ねると、トクサの含む水気で蒸れてしまい、
上の画像のようになってしまいやすいようです。

なお刈り取ったあとですが、土に残った根元は枯れてしまいます。
翌春4〜5月に新芽が出てきますが、違う場所に出てきます。

刈り取ったあとの根の管理ですが、定期的な水遣りは必要です。
地上部がなくても、水気を好む性質であることには変わりはありませんので。


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1月期募集始まります

通常4月期と10月期に行っているカルチャーセンターの新規募集
ですが、新たな試みとして1月期に行ってみることになりました。

とりあえずはHOMEの新着情報にご紹介しております通り、
NHK文化センター ユーカリが丘教室の午後クラスとよみうり
カルチャー大宮教室夕方クラスです。

大宮教室は既に受付を開始していますし、ユーカリが丘教室も
26 日から受付開始です。

和食がユネスコ無形文化財に登録申請されたことによって、金繕いも
注目されていると聞きます。

ご興味のある方の受講をお待ちしております。

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チラシ掲載作品


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斉藤典彦/佳代展

銀座•森田画廊で行われている『斉藤典彦/佳代 展』に行ってきました。

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斉藤佳代さんは、学生時代からの友人です。
今回はご夫婦での展覧会でした。

佳代さんの作品は、題材を日常生活の中に求めることが多く、
清々しい色彩と穏やかなタッチでとても和みます。
今回は忙しい中、絹本(けんぽん)や大作にも挑戦されていました。

ご主人の作品は今回初めて拝見しました。
近作は今回のように空気感を表現したような抽象画が多いそうです。
にじんだ感じは偶然の産物ではなく、寸分違わぬ下図を制作した上で
本作に挑まれると聞き、驚いてしまいました。

このようにご夫婦で着眼点は一緒でも、全く作風が違うのがおもしろい
ところで、とても充実した気分になりました。

それにしてもご夫婦で展覧会が出来るなんて、本当に素敵です。
お二人の今後の活躍も楽しみにしています。


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器になじむ銀

先日に引き続きNHK文化センター ユーカリが丘教室の
生徒さんの作品をご紹介致します。

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器の口縁が点々と欠けてしまった状態を修復されています。
仕上げは銀を使われていますが、これは硫化によって黒化すると
器自体の釉薬に馴染みます。

蒔きたての銀は白さが目立ち、点々と欠けているのもハッキリして
しまいますが、黒化した時には言われなければわからないくらいに
なるはずです。

銀は蒔くタイミングが難しいのですが、綺麗に仕上げられています。
あとは変化していく様を楽しみに待たれるだけです。


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特別展 光悦

現在、五島美術館で行われている『特別展 光悦 – 桃山の古典』に
行って来ました。

五島光悦展

光悦は皆様ご存知の通り江戸時代初期に活躍した文化人で、琳派を
構成する一人でもあります。
この展覧会は、あらためて書跡・陶芸・漆芸・出版などの作品について
検証し、光悦の事績を再現、その人物像に迫るとしています。

私が特に拝見したかったのは、赤楽茶碗の雪峯です。

光悦雪峰

胴が丸い器形は、愛らしいと言えるくらいです。
そこに最大幅1cm、最深5mmはあろうかと思われる深い窯疵が
刻まれて、金による繕いがなされています。
この疵は、細かになりながらも側面から背面につながっていきます。

お茶碗は20点展示されていますが、やはり『雪峯』の存在感は群を
抜いていました。

その他、金繕いを学ばれる方ならば『赤楽茶碗 乙御前』も必見です。
色漆による漆繕いがご覧になれます。

会期は12月1日(日)まで。
会場は、かなり賑わっています。


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