日別アーカイブ: 2017年11月23日

ふっくら仕上げ ありかなしか

このところ続けてご質問があったのが、金繕いの仕上げとは
ふっくら膨らんでいるものではないのか?です。

基本的に仕上げの状態は持ち主のお好みなので、ふっくらした仕上げは
「あり」と言えます。
そのような仕上げのみ教えていらっしゃる先生もおられます。

ただ過去の名品を見て頂くと、ふっくらした仕上げになっているものは
ありません。
器の形通りに欠損を戻し、ひびの仕上げであろうとも膨らんでいる
ことはありません。
ですので私共では茶道具の場合の例外を除いて、ふっくらと仕上げることを
お勧めはしておりません。

金繕いをする対象が日常に使われる器の場合を考えますと、ふっくらした
仕上げには箸やカトラリー類が引っかかる可能性があります。
引っかかると仕上げをしたところを痛める可能性があり、金繕いの寿命を
短くするかもしれません。

また洗浄の際にも痛める可能性が高いですし、汚れが溜まって不衛生になる
可能性も否定出来ません。

最初に書いたように仕上げの状態はお好みです。
もしふっくらした仕上げをご希望でしたら、手順は教室でご説明致します。


カテゴリー: 基本のき |