鯛牙

本漆の仕上げに丸粉を使う場合、鯛牙を使用しています。

先日、鯛の頭を入手する機会がありましたので、顎の骨ごと牙を
取り出してみました。

上下左右で各2本、計8本あります。
この鯛自体は1kg程度の重さなので、上の画像の道具のような
大きさはありません。

ちなみに鯛は天然でないと、牙はありません。
天然の鯛は貝を砕いて食べたりしているので牙が発達しますが、
養殖の鯛は柔らかい餌を食べているので牙は必要ないからです。

道具として鯛牙の代用とされるのは、めのうやガラス棒などが
あります。

私の個人的な感覚ですが、硬さと柔らかさがうまくマッチングして
いるという点では鯛牙に勝るものはないようです。

魚のイシモチの浮き袋から取り出される接着剤「ニベ」など、日本人が
生活の中から見つけ出した物には感嘆させられます。


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