このところ金繕いの教室で気になるのが筆の選び方です。
広い面積を塗るにも関わらず、細い筆で無理をなさっている方が
見受けられるのです。
私は大まかに3種類の大きさを使い分けています。
最初は小さい面積から細線を引くことも出来る細い筆です。
新うるしの教室で最初にお渡ししている豚毛の筆です。
次はもう少し太い丸筆です。
先程の筆より広い面積を塗る場合に選択します。
大体3cm角くらいの面積までなら、この太さで十分です。
ただ繊細な線は引けません。
ひびや割れの溝を埋めるのなら可能です。
貝合わせの制作でハマグリ貝の内側に弁柄漆を塗るのにお勧めしている筆です。
幅8mmで、呼称は平筆となります。
お重の内側を塗るような大きな面積は無理ですが、10cm角くらいまでなら何とか
塗ることは可能です。
3cm角以上になったら、このような平筆を選択するのがマストです。
どの筆を選べばいいのか迷われる場合はご相談下さい。
適切な道具を選べば作業が簡単に済むばかりでなく、完成度も上がります。