カテゴリー別アーカイブ: 貝合わせ
金箔貼り月間
8月〜9月は、磨いて頂いたハマグリ貝に金箔を貼って頂くカリキュラムを
行う方がおられると思います。
テレビ等で職人さんが鮮やかに金箔を扱う姿をご覧になっていると、簡単に
扱えるような感じをお持ちになっているかもしれません。
しかし金箔はエアコンの風で簡単に舞い上がってしまうほど、薄いものです。
ハマグリ貝に貼ってみた感想をお聞きすると、「難しかった」というのが
一番に出てきます。
しかし修復可能なのも金箔のよいところです。
何かアクシデントが起きたとしても、安心して翌月の講座にお持ち下さい。
上の画像は以前にアップしていますが、金箔を小分けしてお譲りするために
束を開いたところです。
美しい!
ハマグリ 紙ヤスリで磨くと
貝合せ制作のためにハマグリ貝を磨く方法は、制作される方によって
様々あります。
中には少々取り扱いに注意が必要な薬品を使用される方もあります。
私共では基本的にカッターの他、家庭用品で磨くことをお勧めして
おります。
下の画像の例は、紙ヤスリで磨いた例です。
蝶番のところが合う一対の貝なのですが、柄の感じが違う貝のように
なってしまいました。
また自然な凸凹も削り落としてしまっているので、作り物のような感じも
あります。
ご存知のように貝合せとは、貝の表面の柄を見て一対の貝を探し当てる
遊びです。
柄が違う感じになってしまうと、このような遊びには適さない状態に
なってしまいます。
このような事情から教室でお教えしている手順を取って頂いています。
ご面倒な部分もあるとは思いますが、様々なアクシデントを回避する
最良の方法と考えております。
どうぞ手順はお守りの上、より美しい作品の制作に臨まれて下さい。
ハマグリ貝 内側の磨き方
昨年10月から受講を始められた方々は、そろそろ貝合せ制作の
カリキュラムを行いたいとお願いしていると思います。
ですのでハマグリ貝の磨きの最終チェックをさせて頂いています。
少々気になっているのが、貝の内側の磨き方を間違えて記憶している
方が多いことです。
内側は曲面になっている上に、貝柱のあとなど、かなり複雑な形を
しています。
それをカッターで削ろうとしている方が多くみられます。
これはかなり無理な作業で、綺麗にならないばかりか、キズだらけに
しているだけになってしまった方もおられます。
お教えしているのは、
①メラミンスポンジで擦ってみる
②おしろい様の粉っぽい感じが取れない場合は、#200〜#300の
紙ヤスリで削る
という手順です。
お手数とは思いますが、作業を始める前にお渡ししている磨き方
を記したレジメを再読下さい。
違う方法で大変な思いをする必要はありません。
貝香合講座 終了しました
7月30日に行われたよみうりカルチャーセンター川口教室の
「皿貝香合をつくる」の講座に続いて、本日港北カルチャーセンター
の「自然の貝で香合つくり」の講座が終了しました。
全3回の講座は、皿貝、ハマグリ貝と行い、最終回の今回は
ヒオウギガイでした。
完成したばかりのところを撮影させて頂きましたので、ご紹介
致します。
ヒオウギガイは表面が鮮やかな色なのは、以前のブログでご紹介
しましたが、皆様それぞれお好みのものを選ばれています。
結果的に全員大小の組み合わせで制作されました。
さらに皆様パール粉と金箔の組み合わせですが、大小のどちらを
どちらの素材で制作するかは、お好みで分かれました。
パール粉で制作した貝は1週間後にならないと最終的な状態が
確認出来ませんが、貝の色が上手く反映された作品になっている
ことと思います。
貝香合の講座は貝の調達から箔類の準備まで、相応に手間がかかる
のですが、ご参加頂いた方々に「楽しかった」と言って頂くと、
その手間も充実感に変わります。
2つの講座が終了して、今は心地よい疲労感の中にいます。
小さめヒオウギガイ
港北カルチャーセンターで行っている「自然の貝で貝香合作り」の
最終回で使用するヒオウギガイを洗ってみました。
まさに香合に最適な、5cm程度の小さめのヒオウギガイです。
中を開けてみたところ、表の色が反映しているものと、真っ白なものが
あるのがわかりました。
ご参加の方にはお好みで選んで頂こうと思っています。
そして、やはり中が悲惨なものがありました(涙)。
貝が何らかの異物を貝の外に出すことが出来ず、中に溜めてしまった
ものを、貝と同じ材質の薄い膜で覆ってしまっているようです。
これが真珠貝なら真珠ができたのでは?と金繕いの受講者の方が
おっしゃいましたが、その通りではないかと思います。
この悲惨な部分を削り落とすことは可能ですが、貝を大きくえぐることが
多く、諦めることにしています。
今回入手した小さめのヒオウギガイは、表の色が上品で美しいです。
実用的な大きいサイズで制作されるのもよろしいかと思いますが、色の
綺麗さで小さめのものも心惹かれるのではないでしょうか?
ハマグリ準備完了
港北カルチャーセンターで行っている「自然の貝で貝香合作り」
ですが、2回目の講座に向けてハマグリ貝の準備をしました。
前回磨いて下さるようにお願いしているのですが、準備したのは
サプライズ用です。
実はこの中に希少な柄の貝があります。
受講の方は「当り」をお楽しみになさって下さい。
ハマグリ貝がこのように自然のまま綺麗な光沢を出す磨き方は、
一菜会ならではです。
体験なさった方は皆、その美しさにビックリされます。
ところで「自然の貝で貝香合作り」は、2回目からの受講も可能
としておりましたが、本日教材の発送を行いましたので、締め切り
とさせて頂きます。
ヒオウギガイ準備中 2015
港北カルチャーセンターで行っている「自然の貝で貝香合つくり」
の講座ですが、3回目のヒオウギガイを準備しています。
鮮やかな色の印象が強いヒオウギガイですが、今回上の画像のような
渋めの色合いのものも手に入ったので、同様に下準備を行って
います。
というのも稀に中が上の画像のように、ちょっと悲惨な状態に
なっているものがあるので、確認する必要があるからです。
下準備の仕方については、講座の中でご説明したいと思います。
貝香合講座 第1回
港北カルチャーセンターにて「自然の貝で貝香合作り」が、
本日スタートしました。
初日の今日は、皿貝でした。
皿貝は内側のピンク系の色が魅力の貝です。
魅力的な作品作りのポイントは、「バランス」ではないかと思います。
「メリハリ」「粗と密」という言葉にも置き換えられますが、切箔が
集中している所と、空間が空いているところがあるといいと思い
ます。
また切箔のサイズも重要です。
同じサイズばかり並べてしまうのではなく、大小がリズムよく
入っていることが大切だと思います。
まとめてしまえば、絵を描くのと一緒ということかもしれません。
港北カルチャーセンターの「自然の貝で貝香合つくり」の講座は、
全3回。
次回はハマグリ貝、最後はヒオウギガイです。
それぞれパール粉を使ってもよし、金箔を貼ってもよし、と選択
出来る贅沢な内容です。
金繕いは完成まで時間がかかりますが、貝香合は毎回作品が
完成して行きます。
楽しんで受講して頂ければ幸いです。
箔をセットしました
貝香合を作る短期講座のため、少しずつ用意してきた箔を
お一人分づつセットしました。
金•銀箔を大きさ違いで、箔合紙にはさんでセットしてみました。
野毛です。
金箔を細く切ったもので、光の筋を表現したものではないかと
いう方もいます。
これは箔1枚を切ったものではなく、4〜5枚貼り合わせたものを
カットしているそうで、さすがにこれは市販品を使います。
ただし販売されているものは、10cm以上の長さがありますので、使い
やすい長さにカットしています。
野毛は金繕いの講座ではお出ししませんので、貝香合の講座ならでは
と言えます。
四角の切り箔、線状の野毛、粉状の砂子と、形状が違うものを使う
ことで、作品に深みが出ると思います。
使ってみたいという方のお申し込みをお待ちしております。
ホンビノス貝 食してみた
以前のブログで、貝合せのカリキュラムではホンビノス貝の
使用はご遠慮頂きたいとご説明しました。
ホンビノス貝はハマグリと同種ではありますが、北米原産で
船舶のバラスト水に混ざって日本に定着してしまったものです。
これが「シロハマグリ」とか、「大ハマグリ」などと称されて
販売されていることがあり、購入されてしまう方がおられます。
しかし日本人が古来より馴染んで来たハマグリで貝合せを
制作して頂くことが日本文化に触れることにもなりますので、
ハマグリで制作をお願いしたいと考えております。
とはいうものの、ホンビノス貝は食すとハマグリに似た味と
いうので、食べてみることにしました。
ホンビノス貝にはハマグリのように柄はなく、一律白で、深い筋が
入っています。
最初はハマグリと食べ比べる為にお吸い物にするつもりでしたが、
どうしてもこの筋に入った汚れのようなものが気になり、また
酒蒸しにしてしまいました。
今回はオリーブオイル&醤油の和洋折衷味です。
実際食べてみて、確かにハマグリに近似した味だとわかりました。
10個で360円でしたので、価格も手頃だと思います。
料理をするならば、十分楽しめるのではないでしょうか。
しかし工芸品を制作するのには、外観の美しさにおいてハマグリに
勝てるものではありません。
やはり貝合せには、ハマグリをお使いになるのをオススメ致します。