金銀ツートン2

8月にお返しした器で、以前ご紹介したものと同じように金銀の
ツートンで仕上げたものがあります。

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京焼のゴブレットです。
外側は銀彩で、内側が粉引きになっています。
そこで外側は銀で、内側は金で仕上げました。

かなり複雑に割れてしまっており、接着から欠損を埋めるまで相応の
時間がかかったのですが、複雑な線を一気に仕上げる自信がなかなか
出ませんでした。
加えて外側は銀でよいとして、内側を銀で仕上げてしまうと硫化した
時のコントラストが気になっていました。

随分お待たせした結果仕上げも上達し(笑)、金銀ツートンという結論に
達し、ご依頼頂いた方にも気に入って頂けました。
無事お返し出来て、ほっとしています。

銀彩は、陶芸用の厚みがある銀箔が貼られることによって作られています。
ですので硫化による黒変は免れません。
どのように保管していても何らかの変化をしています。
ここに修復する際の難しさがあります。

変化した状態を味と考える方が多いので、出来るだけお預かりした時の状態を
変えないように修復していくのが基本です。
よってどのように養生するかが、第一のポイントになってきます。

銀彩のものを修復する場合には養生の他様々な注意点がありますので、
着手する前にご相談下さいませ。


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