日別アーカイブ: 2019年5月2日

新しい線

NHK文化センター柏教室のTさんの作品をご紹介致します。
たくさん完成品をお持ち下さいました。

大鉢のひびです。
元々の放射線状の染付の線に入った銀泥の線が絶妙です。
衝撃に対して物理的に生じているものですが、人間が意図して作れる
ものではありません。
ダイナミックさと相まって、迫力の作品になりました。

取皿の割れです。
鳥脚状に破片が生じており定法通りの割れ方ですが、それが美しさになって
います。

こちらは鉄釉で縁に作られた「口紅」とも言われるものを新うるしの色で
再現されたものです。
通常お勧めするのは、金泥で欠け部を仕上げて銀泥で口紅の線を再現する
方法です。
銀泥が硫化していない現段階で見ると、欠損部が最も目立たない形に
なっていると思います。

最後は割れの線が美しい器です。
器の大きさに対して金泥の線が潔く入っていて、気持ちがいい作品になって
います。

Tさんは仕上げの描き方が一気に上達されたように思います。
それはご自分の作品ばかりでなく、教室の他の方のご様子も真摯に学ばれて
いた成果だと思います。
せっかくお出でになられている教室です。
是非Tさんのようになさることをお勧め致します。


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