漆刷毛

漆刷毛とはその名の通り、漆を塗る為の道具です。
金繕いの作業では漆刷毛を使うことはありませんが、漆器の
塗り直しなどでは漆刷毛を使います。

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画像は三分(幅約9mm)のものです。
切ってから長期間乾燥させた毛髪の中から真っ直ぐなものを選別し、
油抜きをした後に糊漆で固め、檜の正目の板で合わせて固く締め付け、
十分に乾燥してから鉋で整形し、最後に毛先を切り出して仕上げて
あります。

そうです。
漆刷毛の毛は、人毛です。
日本人女性の髪が最適と言われていましたが、昭和50年頃から日本産の
毛髪が入手困難になり、現在ではほとんど中国産毛髪で賄われていると
思われます。

細く柔らかいながらも腰が強い毛髪を使った漆刷毛は、明暦年間(江戸時代
初頭 1655〜1658年)に、初代泉清吉の考案と言われています。
東洋人の毛髪は、断面が正円と聞いたことがあります。
このようなところが、刷毛に適していたのでしょう。
実際使ってみますと、粘り気のある漆を均一に引き延ばしてくれるのは、
他の材質の刷毛にはない感触です。

お求めになっても、すぐに使うことは出来ません。
漆刷毛はまず仕立てることが必要です。
手順については教室でご説明致しますので、でんぷんのりと細めの凧糸を
持っておいで下さい。

参考 日本の美術 第451号 漆工品の修理


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