自生ムラサキ

昨日のブログに書きました原一菜(いちな)先生の作品で、
国産の自生ムラサキが染色で使われていると触れました。
私がムラサキについて語れる立場にはないのですが、ムラサキの
希少性についてご理解頂きたいと思い、原先生からお教え頂いた
ことの一端をご紹介したいと思います。

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自生のムラサキの花です。
初夏に小さな白い花を咲かせます。
染色に使われるのは根の部分で、紫味を帯びた様子からも
色素や薬効が感じられます。
しかし臭いは「獣臭い」のです。可憐な花からは想像出来ません。

上の画像は貴重な自生種を原先生からお見せ頂いた時に撮影したもの
ですが、実は自生種はほぼ絶滅とさえ言われている状態なのです。
原因は乱獲と生息地であった草原の畑地化によるものです。

ムラサキの栽培を難しくしたのは、発芽の難しさにあります。
さらに発芽したあとも管理を拒む気難しさがあり、減少に拍車を
かけました。

現在栽培されているというものは、江戸時代に品種改良された里紫と
呼ばれるものか、西洋紫だということです。

万葉集にも詠まれ、禁色を染め上げた自生ムラサキ。
自生ムラサキの希少性が少しでも伝われば嬉しいです。


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