月別アーカイブ: 2017年5月

弾丸トラベラー 福井・金沢編3

福井・金沢旅行のレポート最終回です。
最後に行ったのが金沢です。
もう4度目なので、いわゆる観光地は行き尽くしてしまって
いるのですが、狙いは「金沢21世紀美術館」でした。

金繕い 金継ぎ 金沢

有名なのが下から見られるプールですね。

IMG_0204
金繕い 金継ぎ 金沢

この美術館を設計した、お一人が妹島和世氏です。
建築界のノーベル賞と言われるアメリカのプリツカー賞を受賞して
おられます。

外周が全面ガラス張りの円形平屋で、その中に様々な大きさの直方体
の展示室が散在するという斬新なデザインでした。
正直に言えば、トイレやミュージアムショップといったユーティリティー
部分が狭められており、来館者が気持ち良く利用できるかという点では
疑問があります。
しかしガラス張りの外周部分は外光が入って、周囲の公園と一体化
して気持ちがよく、とても魅力的な空間でした。

IMG_0206
金沢駅の顔、鼓門

金沢はその他時間がなく、ひがし茶屋町を少々見たくらいで終了。

金繕い 金継ぎ 金沢
北陸新幹線からの車窓風景

北陸新幹線の開通で、金沢は身近な観光地になりました。
まだまだ見落としている場所があるようなので、また行けたら
いいなと思っています。


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弾丸トラベラー 福井・金沢編2

昨日に引き続き、福井・金沢旅行についてレポートします。
宿泊したのは、山代温泉です。

金繕い 金継ぎ 山代温泉
金繕い 金継ぎ 山代温泉

ランドマークになっているのが「古総湯」です。
明治19年(1886)に建造された建物を忠実に復元したものです。
ステンドグラスを使ったりして、レトロな趣が魅力です。

山代温泉での狙いは九谷焼窯元「須田青華」でした。

金繕い 金継ぎ 須田青華

須田青華窯はかつて魯山人が作陶に目覚めるきっかけになった窯元と
紹介されることが多いところですが、器作りから絵付けまで一貫して
行うことに誇りを持った窯元でもあります。

以前、金沢へ旅行した際にも九谷焼を探し求めたのですが、納得
いくものがありませんでした。
しかし今回の須田青華窯は期待以上の内容で、久しぶりに爆買いして
しまいました。

金繕い 金継ぎ 須田青華

購入してきた器です。
染付けのものもたくさんあったのですが、色絵のものを選びました。
特に九谷らしい色彩を持ったモダンなものを選んだつもりです。

今回の旅はこれだけでも満足してしまった感じです。


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弾丸トラベラー 福井・金沢編1

3月のことで少々前になってしまいましたが、福井・金沢に
旅行に行ってきました。

金繕い 金継ぎ 北陸新幹線

金沢に行くのは4回目ですが、今回のテーマは「北陸新幹線に
乗りたい」と「クラフト」でした。

北陸新幹線で金沢到着後、足を伸ばしたのが福井です。
漆器、陶器、和紙の他、刃物、箪笥といった「ものづくりの里」です。

まず行ったのが漆器です。

金繕い 金継ぎ 柿渋絞り
柿渋しぼり機

越前漆器の特徴は、下地が「渋下地」という柿渋と炭を混ぜたもので
作られていることです。
あまり加飾されておらず、シンプルなイメージがあります。

しかし注意してみると本体が木とは限らず、樹脂のものが多くあります。
さらに価格が安いと思うと、漆ではなく樹脂塗装だったりします。
これが見ただけではわかりません。
手に持ってみると本体が樹脂製の物はひんやりとした感覚がありますが、
木と樹脂の混合物だったりすると、木のものと変わりがありません。
はからずも漆器業界の現状を見たようでした。

「うるしの里会館」では職人工房があり、この日は下地職人さんと、
沈金の職人さんがおられたので、お話を聞くことが出来ました。

金繕い 金継ぎ 下地
金繕い 金継ぎ 沈金

特に興味深かったのが、沈金職人さんの話です。
どうやって彫り込んだ溝に金を残すのか質問したところ、最終的には
「職人の経験」であることがわかりました。
やはり奥が深い!

その後、和紙、刃物、越前焼、メガネと駆け足で見て、初日は終了
しました。
見学先は大抵17時で終了します。
お出かけになる場合は、計画的に回られるのをオススメ致します。


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漆刷毛について2

「金繕いの本」の貝合わせの項で、新うるしを塗る道具として
漆刷毛を使用しています。

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貝合わせの金箔が最もきれいに貼れるのが、この漆刷毛なので本では
こちらを使用しました。
しかしカリキュラムの一環で貝合わせを始めて制作される方に、漆刷毛は
少々高額です。
(太さにもよりますが、大体¥3,000以上です)

よって教室ではリーズナブルでありながら、結果の良い筆をご紹介
しています。
(白鳥教室のみ)

金繕い 金継ぎ 平筆

穂先の材料は羊がメインで、馬毛も少しブレンドされています。
これが程よい腰の強さとなっています。
穂先のカットの仕方と、適切な長さで、まずまずの結果が出るのだと思って
います。

先般、漆刷毛と間違ってペンキ塗り刷毛をお求めになってしまった方が
おられました。

金繕い 金継ぎ ペンキ塗り刷毛

残念ですが、これは貝合わせには全く適しません。

良い制作のために漆刷毛をお求めになりたい方は、お勧めの販売店が
ありますし、刷毛を使うための仕立て方についてもご説明致します。
教室であらかじめご相談下さい。

追記
以前のブログで「漆刷毛」について書いています。
詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。


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藍の発芽 2017

先週、種蒔きした藍が昨日発芽しました。

金繕い 金継ぎ 藍の発芽

きっちり1週間後に発芽しました。
今日、夕方までで10個発芽していましたので、58%の発芽率です。
例年通りなら10日目までに、大体発芽が終了します。

この後は10cmくらいまで成長したところで育ちの良いものを
選定して、プランターに定植します。
これは1ヶ月後くらいになる予定です。


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ぴったり

藤那海工房の教室に来て下さっているOさんの道具箱を
ご紹介致します。
ここまで綺麗に収めている方はいらっしゃらないので、撮影
させて頂きました。

金繕い 金継ぎ 道具箱

まず外観です。
平面積はB5版くらいで、かなりコンパクトです。
取っ手はありませんが、外から見ても綺麗に収まっているのが
わかります。

金繕い 金継ぎ 道具箱

蓋を開けたところです。
手前のスペースに道具類が縦に入れられているのが、お分かりに
なるかと思います。
収納のテクニックに縦に物を入れて見やすく取り出しやすくすると
いうのがありますが、その状態になっています。
さらに薄め液のボトルが縦置きに入っているのも、いいところです。
なかなか縦に入るケースがないので別に持つ方が多いのですが、
これが忘れ物の原因になってしまうからです。

金繕い 金継ぎ 道具箱

奥のケースを一段外したところです。
ここに筆やカッターなどの道具類が入っています。

これらは全て100円ショップで入手したものだそうで、かなりの
ローコストだった様子。
本体のケースと、手前は名刺入れ、奥はペン類を整理できるケース
だと思います。
決めたところに決めた物を入れるだけなので、片付けもしやすい
かと思われます。

ご本人も「やった!」と思ったそうですが、本当に素晴らしいと
思います。
4月から受講を始めた方は、丁度道具箱を検討されているのでは
ないでしょうか。
ぜひ参考になさって下さい。


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紺屋の白袴

現在、実験中の洗剤でひびに入ってしまった油シミを取っています。

金繕い 金継ぎ 油シミ

従来、破損部に染み込んでしまった油シミは、なかなかとれなかった
のですが、ある生徒さんが試された洗剤がとても落ちるので、私も
購入して実験しています。

何人かの方にも試して頂いていますが良い成績のようなので、教室に来て
下さっている方には必要に応じてご説明しています。

この洗剤につけると勢いよくひびから泡が噴き出してきます。
それだけひびに空気が入っていたのかと思うと、びっくりします。

実はこの器のひびは気がついた当初は短く、軽症の「にゅう」でした。
それがほったらかしにしているうちに、長さは長くなるし重症化して
ひびに進行してしまっていました。
おまけに油シミが長い時間をかけて入りこんでいるので、なかなか抜け
ません。

まさに「紺屋の白袴」です。
身をもって痛い目に合っています。

ですので教室で「大したひびではないので直さなくても大丈夫です。」と
言われると、絶対早めに直しておいたほうがいいですとお勧めしています。


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お気に入り筆ペン

昨年の「金繕いの本」出版後、サインを求められることが
多くなりました。
時間がある時は毛筆で書いていますが、出先の場合、筆ペンを
使っています。

金繕い 金継ぎ 筆ペン

気に入って使っているのが、呉竹の「完美王」というものです。
すごいネーミングだと思いますが、キャッチコピーも「ストレス
なんて感じない」ですから、かなりの強気です。

たまたま店頭で試し書きをしたら穂先の感触が毛筆に酷似して
いて感触が良かったことと、本体部を押さなくてもインクが自然に
出てくるところがいいと思いました。
いろいろな人に試してもらって皆様感触が良いようなので、オススメ
しています。
難点は市場のシェアを「ぺんてる」が握っていることです。
取り扱い店が多くありません。

ところで、もしサインをお望みでしたら、お気軽にお申し付け下さい。
頼まれると嬉しいやら恥ずかしいやらなのですが、お断りは
致しません。
出版記念パーティーで金蒔絵のサイン本を販売していたのですが、
だからといって遠慮なさる必要はありません。


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広く塗る

このところ金繕いの講座で頻発しているやり直しが、塗り足りない
という問題です。

金繕い 金継ぎ 塗り足りない

欠けの場合、釉薬が薄く削げている部分があることがあります。
これがわかりにくいと塗っていなかったり、削り落としてしまって
いることが増えています。
もちろん塗り直しをすれば問題はないのですが、時間をロスしたと
いえばもったいない気がします。

できれば金繕いを開始する前に欠けの範囲を確認し、作業する
範囲を明確に把握してから取り組まれるのがよいと思います。
可能であれば自然光下がベストです。
どんなに照明の性能が良くても自然光の光の量にはかないません。

問題が発覚すると、大したキズではないので修復しなくても
大丈夫ですとおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし器にとっては釉薬という保護膜がない状態です。
素地がむき出しになっているのは、さらなる破損を招きかね
ません。
塗り直しは手間とは思いますが、是非作業をお願い致します。


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いい加減にしないと!

断捨離ゴールデンウィークと名打っていましたが、まず片付けたのが
箱です。

金繕い 金継ぎ 箱

金繕いを習いだすと箱が捨てられなくなると皆様おっしゃいます。
作業中や運搬に何かと使うので、仕方ありません。
私もつい捨てられなくて、このような状態に。

途中途方に暮れて手が止まってしまうのを奮いたたせながら、何とか
終了。
続いて取り組んだのが、「プチプチ」です。

金繕い 金継ぎ プチプチ

こちらも何かと使うので、ついつい溜め込んで信じられない
有り様に(涙)
収めるスペースに合わせて処分しました。

そしてトリは、メインターゲットのパソコンです。

金繕い 金継ぎ 断捨離

ノートパソコンを新旧2台使用していたのですが、ついに古い方の
パソコンが壊れてしまいました。
9年使いましたから、十分かと思います。
横浜山手西洋館のクリアファイルも、「金繕いの本」の原稿も、この
パソコンで作ったので思い入れが深いのですが、リサイクルに出す
ことにしました。

現在の家に越した際に収納した状態が、いろいろ無理が出てきています。
残りの休みで、もう少し片付ける予定です。


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